8/7 勉強会

【研究報告】

担当:山﨑

タイトル:一過性の低強度有酸素性運動が一次運動野下肢領域の抑制・興奮機能に与える影響

  • 目的:30分の低強度有酸素性運動が一次運動野(M1)下肢領域の抑制・興奮機能に与える影響を明らかにすること.
  • 方法:健常成人を対象とし、30分の低強度ペダリング運動(30%VO2peak)、もしくは座位安静による介入を行った.運動前、5分、20分、40分、60分後に経頭蓋磁気刺激を用いてM1興奮性を評価した.刺激位置は前脛骨筋のホットスポットとした.実験1では抑制機能(SICI, LICI, SAI)を、実験2では興奮機能(ICF, SICF)を計測した.
  • 結果:抑制機能については、運動20分後でSAIが減弱する傾向が見られた.興奮機能では、運動5分、20分後でICFが減弱する傾向が見られた.
  • 結論:30分の低強度ペダリング運動はM1下肢領域のSAI、ICFを減弱させる可能性がある.今後、被験者を増やし検証を進めていく.

 

【文献抄読】

担当:能村

タイトル:The early indicators of functional decrease in mild cognitive impairment

出典:Kubicki et al. Front Aging Neurosci. 2016;8:193. doi: 10.3389/fnagi.2016.00193. eCollection 2016.

  • 目的:機能障害のないMild Cognitive Impairment(MCI)者の上肢拳上運動中のAnticipatory Postural Adjustments (APA)を測定し,MCIの早期指標になるのかを確かめる.
  • 方法:MCI群(14名),高齢群(14名),若年成人群(14名)を対象に,上肢拳上運動中の下肢・体幹筋のAPAを測定し,3群間で比較した.
  • 結果:MCI群と高齢群は若年群と比較して,上肢拳上に伴う大腿二頭筋の活動が遅延した.MCI群は高齢群と比較して,体幹筋が早期に活動していた.
  • 結論:MCIにおけるAPAの特徴は,高齢者の認知機能低下の進行を早期予測できる可能性がある.