8/21 勉強会

【研究報告】

担当:早尾

タイトル:伸張性筋収縮による筋線維膜透過性亢進並びに筋収縮張力低下とその反復効果

  • 目的:2,4週の間隔を設けての第2試行実施による反復効果及び第2試行実施直前の筋損傷回復過程検討を目的とした.
  • 方法:F344系雄性ラット48匹(12-16週齢)を実験に供した.ECC処置の第1 boutの前後(無処置対象群; Cont及びpost-ECC1st群),2週間隔での第2 boutの前後(pre-ECC2nd_2w群及びpost-ECC2nd_2w群),4週間隔での第2 boutの前後(pre-ECC2nd_4w群及びpost-ECC2nd_4w群)に相当する6群を設けた(n=8/群).ECC処置は,麻酔下で左前脛骨筋(TA)へ経皮的直接電気刺激により足関節の背屈を起こし,この時他動的に足関節を底屈するTAのECCを合計80サイクル行った.TAの最大筋収縮張力及びEvans blue dye浸潤(EBD+)筋線維数、中心核線維数を計測した.
  • 結果:TA横断切片全領域において,EBD+線維数は各pre-ECC2nd群ではほとんど観察されず,各post-ECC2nd群ではpost-ECC1st群と比較して有意に低値を示した.中心核を有する筋線維数はCont群と比較して有意に高値を示した,最大筋収縮張力はそれぞれのpreからの低下率はpost-ECC1st群よりpost-ECC2nd_2w,4wで小さかった.
  • 結論:本研究では1度目のECCを実施後の2週目以降では,組織的・機能的な回復が認められた.ECC実施による筋線維膜透過性の亢進及び筋収縮張力の低下は2度目の方が小さく,反復試行効果は4週間持続することが示唆された.

 

【文献抄読】

担当:宮口

タイトル:High-gamma oscillations in the motor cortex during visuo-motor coordination: A tACS interferential study

出典:Brain Res Bull. 2017 May;131:47-54.

  • 目的:M1に対するtACS介入中に視覚追従課題の成績が向上するかどうかを明らかにする.
  • 方法:対象は健常成人14名であった.tACSの刺激強度は1.0 mAとし,刺激周波数は5 Hz,20 Hz,60 Hz,70 Hzの5条件とした.電極貼付部位は,左M1領域直上とCz領域直上とした.各条件介入中に右上肢を用いたマウス操作による視覚追従課題を実施し,運動成績を評価した.
  • 結果:70 Hz条件にて視覚追従課題の成績が有意に向上した.
  • 結論:M1領域をHigh-gamma帯域の周波数で刺激することにより,運動遂行機能が向上することが明らかになった.