12/11 勉強会

【研究報告】

担当:能村

タイトル:補足運動野に対する経頭蓋直流電流陽極刺激が高齢者の先行随伴性姿勢調節に及ぼす影響

  • 目的:補足運動野(SMA)に対する経頭蓋直流電流陽極刺激(a-tDCS)が高齢者の先行随伴性姿勢調節(APAs)と運動パフォーマンスに及ぼす影響を明らかにすること.
  • 方法:対象は高齢者11名とした.自己ペース上肢拳上時の三角筋と大腿二頭筋の筋放電開始時間差(⊿EMG onset)と重心動揺を計測し,SMAへのa-tDCS刺激条件とsham刺激条件において刺激前,終了直後,終了15分後にて比較した.
  • 結果:sham刺激条件と比較してa-tDCS刺激条件では,終了直後と終了15分後において⊿EMG onsetの有意な延長と総軌跡長の有意な減少が認められた.
  • 結論:高齢者のSMAに対するa-tDCSは,APAs機能と運動パフォーマンスの改善に影響を及ぼす可能性があることが示唆された.

 

【文献抄読】

担当:立木

タイトル:The Response of the Primary Motor Cortex to Neuromodulation is Altered in Chronic Low Back Pain: A Preliminary Study.

出典:Schabrun SM et al. Pain Med. 2017. doi: 10.1093/pm/pnx168.

  • 目的:非特異的腰痛(LBP)患者に対して,anodal tDCSと末梢電気刺激(PES)の併用が一次運動野(M1)の興奮性に及ぼす影響を明らかにすることであった.
  • 方法:右利き非特異的腰痛(LBP)患者10名とコントロール群10名を対象とした.介入はanodal tDCS単独条件,末梢電気刺激(PES)単独条件,anodal tDCSとPESの併用条件,sham条件の4条件とし,介入前後に経頭蓋磁気刺激(TMS)によるM1の興奮性評価を実施した.
  • 結果:M1興奮性変化において,anodal tDCS単独条件の結果,LBP群で変化がなく,コントロール群で有意に増加した.PES条件では,両群ともM1興奮性の低下が認められた.Anodal tDCSとPESの併用条件では,LBP群で増加,コントロール群で変化が認められなかった.
  • 結論:治療目的がM1興奮性の増大を誘導することであるならば,腰痛患者に対して,anodal tDCSとPESの併用がM1興奮性を増大させ,anodal tDCS単独介入よりも効果的である可能性が示唆された.