7/9 勉強会

【研究報告】

担当:山代

タイトル:Change-related M100 component in the secondary somatosensory cortex: a MEG study

  • 目的:ピエゾピン(mechanical stimulation)のonset,offset刺激を用いてM50/M100の生理学的意義を明らかにすることを目的とした.
  • 方法:12名の健常成人を対象とし,脳磁計を用いて体性感覚誘発磁場を記録した.刺激にはピエゾピンが突出するON条件,ピエゾピンが消失するOFF条件を用いた.ON,OFF条件ともに変化が起こるまでの時間(前事象)を500ms,1500ms,3000msに統一し,刺激を呈示した.
  • 結果:刺激のON,OFFにより誘発される50ミリ秒後の活動は前事象の長さに依存せず,刺激から100ミリ秒後の活動のみ前事象の長さに依存した.
  • 結論:M50は変化開始前の前事象の長さに依存せず,M100は皮膚の変形量のみならず変化開始前の前事象の長さにも依存することが明らかになった.結果から,M50は機械的受容器の活性度を反映し,M100は皮膚の変形量のみならず感覚記憶を反映する活動であることが示唆された。

 

【文献抄読】

担当:平林

タイトル:Acute whole-body vibration increases reciprocal inhibition.

出典:Ritzmann et al. Hum Mov Sci. 2018;60:191-201.

  • 目的:全身振動が2シナプス性相反性抑制に及ぼす即時効果を検討する.
  • 方法:健常成人18名を対象に,全身振動前後における足関節背屈30%MVC中(等尺性収縮)のTA,Solの筋活動量,相反抑制量,関節トルクを測定した.
  • 結果:足関節背屈トルク(30%MVC)に合わせているため全身振動前後での変化はなかった.全身振動後で,TAとSolの筋活動量は有意に減少,相反抑制量は有意に増加した.
  • 結論:全身振動の即自効果としては,2シナプス性相反性抑制量が増加することで,拮抗筋であるSolの筋活動量が減少し,TAの筋収縮が効率的となる結果となった.