7/23 勉強会

【研究報告】

担当:森下

タイトル:心肺運動負荷試験時のFace scaleと心拍数、酸素摂取量との関連性

  • 目的:Face scaleが運動療法の際の負荷強度の指標として利用可能かどうかを検証すること。
  • 方法:健常大学生51名(男子30名、女子21名)を対象に自転車エルゴメーターにて20 Watt/分のramp運動負荷試験を実施した。自覚的運動強度としてFace scaleを利用し1分毎に質問した。さらに、心電図及び呼気ガス分析から心拍数、酸素摂取量(VO2)を記録した。心肺運動負荷試験中のFace scaleと心拍数、VO2の関連性について評価した。
  • 結果:心肺運動負荷試験終了時のFace scaleは中央値で男子は10であり、女子は8であった。また、嫌気性代謝閾値時(AT)のFace scaleは男女ともに中央値で4であった。男子では心肺運動負荷試験中のFace scaleと心拍数、VO2には有意な相関が認められた(心拍数;ρ=0.87、p<0.01. VO2;ρ=0.88、p<0.01)。女子でも同様にFace scaleと心拍数、VO2には有意な相関が認められた(心拍数;ρ=0.89、p<0.01. VO2;ρ=0.9、p<0.01)。
  • 結語:健常大学生において心肺運動負荷試験中のFace scaleと心拍数やVO2は関連があり、Face scaleは負荷強度の指標として利用できる可能性が示唆された。

 

【文献抄読】

担当:齊藤

タイトル:Impact of transcranial direct current stimulation on somatosensory transfer learning: When the secondary somatosensory cortex comes into play.

出典:Hirtz R et al. Brain Res. 2018;1689:98-108.

  • 目的:左一次体性感覚野に対するtDCSがtransfer learningにもたらす影響(左手指の感覚機能が向上するか)とその神経生理学的メカニズムを検証する.
  • 方法:健常成人25名を対象に,左一次体性感覚野に対してtDCSを5日間実施し,5日間の介入前後と介入終了4週間後に左手指の感覚機能とfMRIの計測を実施した.
  • 結果:介入終了4週間後に左手指の感覚機能が向上し,左一次体性感覚野(S1)と右二次体性感覚野(S2)の機能的連結が強固になっていた.
  • 結論:一次体性感覚野へのtDCSはtransfer learningを誘導し,その神経生理学的メカニズムとして刺激側S1と非刺激側S2の機能的連結が関与していることが示唆された.