8/6 勉強会

【研究報告】

担当:佐藤

タイトル:水中環境での長期間のトレーニングによる技能変化と一次運動野抑制機能の関連性

  • 目的:本研究では,日常的に水中環境において運動制御を反復している水泳選手を対象とすることで,活動環境依存的に一次運動野の抑制機能が変化するか,そのことが水中環境での運動技能レベルと関連するか否かを検証した.
  • 方法:大学競泳選手15名および非競泳選手15名を対象に,水中環境およびその前後に一次運動野の抑制機能および運動技能を評価した.環境設定は,水温27℃,室温28℃,前腕部のみ水浸とした.一次運動野の抑制機能は,2連発の経頭蓋磁気刺激(TMS)法を用いて,短間隔皮質内抑制(SICI)および長間隔皮質内抑制(LICI)で評価した.運動技能は,3種類の決められた角度に手関節を掌屈する課題を作成し,指示された角度との絶対誤差で評価した.
  • 結果:競泳選手では,水中環境においても一次運動野のSICIが保たれ,運動遂行時の脱抑制作用が高かった.また,運動技能に関しては,運動環境に関わらず,同レベルの関節調整力を発揮した.
  • 結論:一次運動野の抑制機能は,活動環境依存的に変化し,その環境での運動技能に影響することが明らかとなった.