10/22 勉強会

【研究報告】

担当:高橋

タイトル:肥満型自然発症糖尿病ラットの骨脆弱性に対する長期トレッドミル運動効果

  • 目的:2型糖尿病モデルラット(SDT-Fatty)を用い,2型糖尿病の骨脆弱性に対する長期運動介入効果を検証する.
  • 方法:SD群,SDT sedentary群,SDT exercise群に振り分けた.運動群に対しては,6週齢よりトレッドミル運動を開始し24週間実施した後にサンプリングを実施した(9m/min, 30min/day, 5days/week).
  • 結果:血糖値ならびにHbA1cは,SD群と比較しSDT sedentary群,SDT exercise群で有意に高値を示した.大腿骨の破断強度ならびにStiffnessは,SD群と比較しSDT sedentary群,SDT exercise群ともに有意に低値を示した.TMDは全群間に有意差は認められなかった.骨量,骨梁幅,骨梁数,骨連結度は,SD群と比較しSDT sedentary群においてのみ低値を示した.
  • 結論:運動処方で糖代謝能が十分改善されない場合,メカニカルストレスの影響により海綿骨構造改変が期待できる一方,骨幹部の骨強度改変されないことが示唆された.

 

【文献抄読】

担当:池津

タイトル:Qualitative and Quantitative Analyses of the Dynamic and Static Stabilizers of the Medial Elbow: An Anatomic Study

出典:Frangiamore et al. Am J Sports Med. 2018;46(3):687-694.

  • 目的:尺側側副靭帯(UCL)付着部周辺の解剖学を質的・定量的に検討すること.
  • 方法:対象は新鮮冷凍遺体肘10側であった.ポータブル座標測定装置を用いて肘内側の骨および軟部組織をデジタイズし,Rhino 5 で3次元構築した.解析項目は,3D距離とfootprintであった.各項目は平均値と95%Clを算出した.
  • 結果:UCL前部線維束は,上腕骨内側上顆から起始し,尺骨鈎状結節に停止していた.尺骨鈎状結節からUCL前部線維束付着部までの3D距離は5mm,円回内筋付着部までは20.4mm,浅指屈筋付着部までは10.9mm,尺側手根屈筋付着部までは4.2mmであった.UCL前部線維束付着部から浅指屈筋付着部までの3D距離は9.2mm,尺側手根屈筋付着部までは4.6mm,円回内筋付着部までは18.3mmであった.浅指屈筋付着部はUCL前部線維束の尺骨footprintに対し45.6%オーバーラップしていた.尺側手根屈筋付着部は前部線維束の尺骨footprintに対し20.9%オーバーラップしていた.
  • 結論:本研究で得られた解剖学的構造は,手術療法や保存療法を行う際に考慮すべきである.