8/19 勉強会

【研究報告】

担当:平林

タイトル:反復他動運動が脊髄相反性抑制に及ぼす影響

  • 目的:本研究は反復他動運動(RPM)の運動速度が相反抑制(RI)に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.
  • 方法:健常成人20名とし,RPM速度は40°/s,80°/s,120°/s,160°/sで実施した.RIの計測はRPM課題前(Pre),直後(Post),5(post5),10(Post10),15(Post15),20(Post20)分に実施した.
  • 結果:RPM課題160°/sではPost5,10でRIの抑制量が有意に増加した(p<0.001).
  • 結論:RPM課題の運動速度が速いと筋紡錘からの求心性Ia線維に対する発火頻度が増加し,RIが増強したと示唆された.

 

【文献抄読】

担当:太田

タイトル:Identifying the pathways required for coping behaviours associated with sustained pain

出典:Huang et al. Nature 2019; 565(7737): 86-90.

  • 目的:持続する痛みに関わる脊髄脳経路を明らかにする。
  • 方法:Preprotachykinin1(Tac1)陽性ニューロンを遺伝学的に可視化し、脳投射先を調べた。Tac1陽性ニューロンを遺伝学的に欠失させたマウスにおいて、一過性の外的刺激に対する逃避反射と持続する痛みに対する反応をそれぞれ評価した。一次求心性線維のうち2つの別々の亜集団をそれぞれ欠失させ、持続する痛みに対する反応を評価した。
  • 結果:Tac1陽性ニューロンは視床の内側や腕傍核の背側に投射していた。Tac1陽性ニューロン欠失マウスにおいて、一過性の外的刺激に対する逃避反射は影響を受けなかったが、持続する痛みに対する反応が減弱した。同様に、一次求心性線維のうちTRPV1陽性ニューロンを欠失させたマウスにおいても持続する痛みに対する反応が減弱した。
  • 結論:持続する痛みに対する反応は、Tac1陽性ニューロンを介して生じる。