自転車漕ぎは手からの感覚入力に対する脳活動を変化させる!

研究概要

山﨑雄大(博士課程3年,日本学術振興会特別研究員)、佐藤大輔(健康スポーツ学科教授)らの研究グループは、一過性の有酸素性運動による一次体性感覚野の脳活動および体性感覚機能の変化について検証しました.その結果、中等度の運動後に一次体性感覚野の抑制作用が低下すること、低・中等度運動は体性感覚機能に影響を与えないことが明らかになりました.

本研究は『Behavioural Brain Research』に公開されました.

 

研究者からのコメント

有酸素性運動後に脳機能を高める介入を行うことで、その介入効果が増強される可能性が指摘されています.この時、重要になるのが運動に伴う脳活動変化です.本研究でも、中等度運動後に体性感覚入力時の脳活動が変化することが明らかになりました.一回の運動だけでは体性感覚機能が改善しませんでしたが、運動後の脳活動が変わった状態でさらに体性感覚機能を高める訓練を行うことで、その介入効果を高めることができるかもしれません.

 

本研究成果のポイント

  • 二連発抑制という手法を用いることで、一次体性感覚野の抑制作用が中等度の自転車漕ぎ後に減弱することを明らかにしました (図1).

 

  • 体性感覚機能は中等度・低強度の自転車漕ぎ後に変化しないことがわかりました (図2).

 

原論文情報

Yamazaki Y, Yamashiro K, Onishi H, Otsuru N, Kojima S, Saito K, Sato D. Modulation of inhibitory function in the primary somatosensory cortex and temporal discrimination threshold induced by acute aerobic exercise. Behavioural Brain Research. 377 (2020) 112253