10/7 勉強会

【研究報告】

担当:中村(雅)

タイトル:伸張性収縮トレーニングが筋腱に及ぼす影響

  • 目的:伸張性収縮(ECC)局面を強調した下腿三頭筋筋腱複合体へのレジスタンストレーニング(Calf-Raise Exercise)が筋腱に及ぼす影響を明らかにすることである.
  • 方法:16名の健常若年男性を対象に,ECCを強調するECC介入側と短縮性収縮を行うCON側に無作為に群別けを行い,8週間の漸増的レジスタンストレーニングを実施した.介入前後において,足関節底屈筋力,下腿三頭筋の筋肉量(筋厚)およびアキレス腱スティフネスを超音波画像診断装置により測定した.
  • 結果:ECC側では足関節底屈筋力および下腿三頭筋の筋肉量は有意に増加したが,CON側には有意な変化は認められなかった.また,アキレス腱スティフネスはECC・CON側ともに有意な変化は認められなかった.
  • 結論:ECCを強調したレジスタンストレーニングでは,自重という軽い負荷においても筋力増強・筋肥大効果を生じさせることが可能であることが明らかとなった.

 

【文献抄読】

担当:佐藤(成)

タイトル:Contralateral Effects by Unilateral Eccentric versus Concentric Resistance Training

出典:Tseng et al. Med Sci Sports Exerc. 2019 [Epub ahead of print]

  • 目的:伸張性収縮レーニングと短縮性収縮トレーニングによるCross education効果を比較すること.
  • 方法:対象は座りがちな若年男性(伸張性収縮トレーニング群[ECC]:12名;短縮性収縮トレーニング群[CON]:12名)であった.対象筋は肘関節屈筋群とし,週1回,5週間の片側のジスタンストレーニング介入を行った.介入前後に最大等尺性収縮筋力を両側にて測定し,トレーニング効果およびCross education効果指標とした.
  • 結果:ECCにおける最大等尺性収縮筋力増加率はトレーニング側で19±8%,非トレーニング側で11±5%であった.CONにおいてはトレーニング側で10±6%,非トレーニング側で5±2%であった.ECCの最大等尺性収縮筋力増加率はCONと比較して有意に大きかった.
  • 結論:Cross education効果は短縮性収縮トレーニングよりも伸張性収縮トレーニングで大きくなることが明らかとなった.