7/20 勉強会

【研究報告】

担当:高橋

タイトル:変形性膝関節症におけるメカノセンシング機構の解明~変形性膝関節症モデルラットを用いた検証~

  • 目的:関節軟骨への力学的過負荷は,変形性膝関節症(OA Knee)を惹起する因子の一つであるが,力学的過負荷を感知する機構(メカノセンシング)については不明な点が多い.われわれは,メカノセンサー候補の一つであるTRPA1チャネルについて同チャネルの選択的阻害薬を用い検討を行った.
  • 方法:全てのラットに対しOAを惹起する処置を外科的に実施した.グルーピングは,DMSO群と3段階のTRPA1選択的阻害剤投与群(0.2mg/kg, 0.4mg/kg, 0.6mg/kg)に振り分け4週間後にサンプリングを実施した.得られた各群の膝関節に対し,Safranin-O染色ならびに免疫組織化学染色(Anti-Type 2 Col)を施し,OA進行抑制効果を検証した.
  • 結果:阻害剤投与群でOA進行を抑制したが,完全に防止するまでには至らなかった.
  • 結論:TRPA1がメカノセンサーの一部を担っている可能性が示唆された.

 

【文献抄読】

担当:渡邉

タイトル:Somatosensory changes associated with motor skill learning.

出典:Jasmine L. Mirdamadi and X Hannah J. Block. Journal of Neurophysiology.

  • 目的:運動技能学習に関連する体性感覚機能の変化を明らかにする.
  • 方法:健常成人を対象にロボットアームを用いた運動練習を行い,運動練習前後で上肢の固有感覚機能と短潜時求心抑制(SAI)を測定した.
  • 結果:運動技能学習に伴い,上肢の固有感覚機能が向上し,一次体性感覚野から一次運動野への抑制作用(SAI)が増大した.さらに,SAIの増大は運動技能の向上に関連していた.
  • 結論:運動技能学習は体性感覚機能の向上を伴うことが明らかとなった.