12/7 勉強会

【研究報告】

担当:佐藤成

タイトル:筋伸張位と筋短縮位におけるレジスタンストレーニングによる筋肥大・筋力増強効果の比較

  • 目的:筋伸張位と筋短縮位の動的レジスタンストレーニングによる筋肥大・筋力増強効果を比較する。
  • 方法:過去6か月以内にトレーニング経験がない若年男女33名の肘屈筋を対象とした。対象者を筋伸張位でトレーニングを行う群(伸張位群)12名、筋短縮位でトレーニングを行う群(短縮位群)12名、対照群9名に振り分け、介入群は5週間、週2回の動的レジスタンストレーニングを実施した。介入前後に肘屈曲の最大等尺性収縮筋力と筋厚を測定した。
  • 結果:伸張位群でのみ肘屈曲の最大等尺性収縮筋力が有意に増加した。また、筋厚の増加率は短縮位群と比較して伸張位群で有意に大きかった。
  • 結論:筋短縮位と比較して筋伸張位での動的レジスタンストレーニングにおける筋肥大および筋力増強効果が大きいことが示唆された。

 

【文献抄読】

担当:川上

タイトル:Targeted tDCS selectively improves motor adaptation with the proximal and distal upper limb

出典:Matthew et al., Brain Stimulation 13 February 2020

  • 背景:小脳と一次運動野(M1)は上肢の協調的な運動に重要な役割を果たしており,特に小脳は近位筋,M1は遠位筋に関与していることが明らかとなっている.そこで,異なる脳領域への経頭蓋直流電気刺激(tDCS)が上肢近位と遠位の運動適応に及ぼす影響を検討した.
  • 方法:若年者及び高齢者を対象とし,小脳,M1,偽tDCSのいずれかを適用しながら,上肢近位(二次元ロボット)または遠位(ジョイスティック)課題の適応学習を実施した.適応課題は,視覚回転課題を用いた.
  • 結果:小脳tDCS中に,上肢近位の適応能力が向上し,M1 tDCS中に,上肢遠位の適応能力が向上した.これは,若年者と高齢者の両群で同様の結果となった.
  • 結論:異なる運動領域にtDCSを与えることで,上肢の近位及び遠位の運動適応を選択的に改善することを示唆している.これは,上肢運動障害のリハビリテーション確立のための新たな知見となった.