捻挫後の足関節不安定性は、姿勢制御が異なることが原因!?

【研究内容の概要】

足関節内反捻挫はスポーツ現場で最も発生頻度が高く、再発率が高い疾患です。足関節内反捻挫の受傷機転の1つである着地動作時において予め決められた着地を行う場合(Proactive条件)と,急に指示されて着地する場合(Reactive条件)では生じる運動制御戦略やキネマティクスが異なることが報告されています。

そこで本研究では異なる着地条件での着地動作において、慢性足関節不安定症(CAI)群と足関節内反捻挫後に再受傷や足部の不安定感を生じないcoper群の動的安定性の指標であるTime to stabilization(TTS)の違いを検討しました。

その結果、coper群は着地条件にかかわらず、前後方向のTTSが増加することが明らかとなりました。また、Reactive条件でCAI群はcoper群と比較して左右方向のTTSが増加することが明らかとなりました.よって、coper群はCAI群とは異なる姿勢制御を行っていることが示唆されました。

【研究者からのコメント】

本研究は、CAI群と足関節内反捻挫後に再受傷や足部の不安定感を生じないcoper群を「動的安定性」の観点から検討しました。今後は、動的安定性の違いが運動学・運動力学的にどのように影響しているのかを明らかにしていきたいと思います。

本研究成果のポイント:

① Coper群とCAI群の動的安定性(TTS)の違いを明らかにした点.

原著論文情報:

Takaya Watabe, Tomoya Takabayashi, Yuta Tokunaga and Masayoshi Kubo. Copers adopt an altered dynamic postural control compared to individuals with chronic ankle instability and controls in unanticipated single-leg landing. Gait & Posture. 2021.12.13 [In press].