4/25 勉強会

【研究報告】

担当:富樫さん(M2)

タイトル:距骨下関節の靱帯付着部表面積と距骨下関節面の形態との関係

  • 背景:距骨下関節は,靱帯・関節面により構成される.しかし,距骨下関節の靱帯が,距骨下関節に及ぼす影響は明らかになっていない.また,距骨下関節の安定性は,距骨下関節面の構造・状態を検討することにより明らかにされてきた.しかしながら,関節面の構造・状態を対象とした先行研究では,これまで一定した見解が得られていない.以上より, 距骨下関節の靱帯と,関節面の構造・状態との関係を明らかにすることが重要である.
  • 目的:距骨下関節の靱帯と関節面の形態との関係を明らかにすることとした.
  • 方法:対象は,ホルマリン固定遺体50体100足とする.靱帯は,Intrinsic ligamentの付着部を対象とし,靱帯付着部表面積(CL, ITCL, ACaL)を算出する.関節面は,関節面の変性,関節面のタイプ,Intersecting angle,関節適合性を観察項目とする.

【文献抄読】

担当:藤本先生

タイトル:Dysfunctional TRPM8 signalling in the vascular response to environmental cold in ageing

出典:Thapa et al., Elife. 2021. doi: 10.7554/eLife.70153

  • 背景・目的:加齢に伴い低体温症や凍傷などの体温低下に関連する症状による死亡率が増加するが、これには加齢に伴う皮膚血管収縮反応の減弱が影響している可能性がある。近年、温度感受性TRPチャネルが皮膚血管収縮反応に関連していることが示唆されているが、加齢に伴うTRPチャネルの機能的な変化については明らかではない。本研究では、加齢に伴う皮膚血管収縮反応の変化に対するTRPチャネルと交感神経シグナルの関連を明らかにすることを目的とした。
  • 方法:メスDC1マウスにおいて、寒冷刺激に対する足部、耳の皮膚血管収縮反応やTRPM8、TRPA1遺伝子発現量、α2アドレナリン受容体などのタンパク質発現量を測定した。
  • 結果:寒冷刺激による皮膚血管収縮反応は加齢により減弱した。また、TRPM8、TRPA1、α2アドレナリン受容体などの遺伝子およびタンパク質発現量は加齢により低下した。
  • 結論:加齢に伴う皮膚血管収縮反応の減弱にTRPM8およびTRPA1を介した交感神経性の血管収縮機能の減弱が関連している可能性が示唆された