6/6 勉強会

【文献抄読】

担当:山代先生

タイトル:Cold evoked potentials elicited by rapid cooling of the skin in young and elderly healthy individuals

出典:Scheuren et al., Sci rep, 2022 doi: 10.1038/s41598-022-07967-x

  • 目的:寒冷誘発電位(CEP)は、体性感覚機能における寒冷特有の変化を評価するための新しい電気生理学的手段である。CEPを診断ツールとして臨床応用するための重要なステップとして若年者と高齢者の健常者において、皮膚の急速冷却(-300℃/秒)と異なる刺激部位に対するCEPの実現可能性と信頼性を評価した。
  • 方法:15人の若年者(20-40歳)と16人の高齢者(50-70歳)の手背、掌、足背の皮膚に15回の急速冷却刺激(-300 ℃/秒)を加え、時間同期した脳波反応を頂点から記録した。
  • 結果:若年者ではすべての部位で高い確率でCEPを誘発し(手背/掌:100%、足:79%)、高齢者では手背(81%)、掌(63%)、足(44%)の刺激後にそれぞれCEPを誘発した。年齢層と刺激部位により、N2P2振幅とN2潜時について高かった。
  • 結論:皮膚の急速な冷却により、若年者では信頼性の高いCEPの記録が可能である。高齢者では、CEPの記録は手への刺激後のみ強固であったが、足への刺激後には特に困難であった。CEPを臨床診断に導入するためには、刺激パラダイムのさらなる改良が必要である。