6/13 勉強会

【研究報告】

担当:横田先生

タイトル:健常男女に対する異なる刺激様式の経皮的迷走神経刺激(tVNS)が自律神経機能に及ぼす影響

  • 目的:迷走神経求心線維を経皮的に刺激することが可能な刺激装置(Trancutaneous Vagus Nerve Stimuation: tVNS)を用い, 異なる刺激周波数,および刺激強度によるtVNSが自律神経機能(心拍)に及ぼす影響とその性差を明らかにすることとした.
  • 方法:35名の健常学生(女性10名)を対象に,安静イス座位にて左の耳甲介に対するtVNS刺激中の心電図波形を記録した.実験1では100 Hz, 25 Hz, 10 Hz, 1 Hz, 0 Hz(コントロール)の5種類の刺激周波数を,実験2では3.0 mA, a.0 mA, 0.2 mA, 0 mA(コントロール)の4種類の刺激強度をそれぞれランダムに割り当てた.各blockの中にそれぞれ1分間のBaseline,刺激中,刺激後①,刺激後②の解析区間を設け,周波数,および刺激強度ごとの心拍数および自律神経活動指標(LF/HF)を計測し,最大エントロピー法を用いて解析した.
  • 結果:実験1ではすべての周波数での刺激がHRを有意に低下させたが(p=0.001), 100 Hzでの刺激が最も効果的であり(p=0.001),実験2において心拍数の低下には3.0 mAで刺激することが必要であることが明らかとなった(p=0.003).さらに,全被験者の内ベースラインの交感神経活動が高い被験者は1.0 mAと0.2 mAで刺激時に副交感神経活動の活性を示し(p < 0.005 ),女性被験者では3.0  mAにおいても副交感神経活動の活性を示した.
  • 結論:tVNSは特定の刺激パラメータで効果的に自律神経の変化を誘発することができ, tVNSによって誘発される自律神経活動の変化には性差は寄与している可能性が示唆された.

【文献抄読】

担当:小島先生

タイトル:Phase-dependent offline enhancement of human motor memory

出典:Hussain et al., Brain stimul, 2021 doi: 10.1016/j.brs.2021.05.009

  • 目的:本研究の目的は,Mu律動の位相に合わせた経頭蓋磁気刺激がオフライン学習に及ぼす影響を明らかにすることとである.
  • 方法:対象は50名の右利き健常成人であった.各被験者を介入条件ごとに3グループに振り分けた.介入条件は,各被験者のmu律動のピークに合わせて経頭蓋磁気刺激を行う群,mu律動のトラフに合わせて経頭蓋磁気刺激を行う群,ランダムなタイミングで疑似刺激を行う群の3条件とした.各介入は,Serial reaction time task(SRTT)を36traial実施した後,30分間実施した.また,SRTTは介入の翌日にも9セット実施し,オフライン学習の影響を計測した.
  • 結果:その結果,mu律動のピークに合わせた経頭蓋磁気刺激を行った群でのみ,翌日のオフライン学習効果が有意に高いことが示された.
  • 結論:Mu律動のトラフ位相に合わせた経頭蓋磁気刺激は,新しく習得したスキルのオフライン学習を強化する可能性が示唆された.