6/20 勉強会

【研究報告】

担当:川上さん(D1)

タイトル:小脳への経頭蓋ランダムノイズ刺激が運動学習および脳活動に及ぼす影響

  • 背景:小脳への経頭蓋ランダムノイズ刺激(tRNS)が運動学習に及ぼす影響と,小脳抑制(CBI)や一次運動野(M1)興奮性変化との関連性を検討した.
  • 方法:小脳tRNS群(1 mA, 0.1-640 Hz)17名,偽刺激群17名を対象とした.運動学習は視覚追従課題を用い,小脳tRNSまたは偽刺激介入下で20回(前半10回,後半10回)実施した.CBIおよび運動誘発電位(MEP)は,学習前,学習前半後,学習後半後に計測した.
  • 結果:運動学習量について群間差は認められなかった.tRNS群のみ,学習後にMEPが減弱した被験者ほど学習が促進する相関関係が認められた.
  • 結論:小脳へのtRNSは運動学習量に影響を及ぼさないが,MEPの変化と学習量は関連することが示唆された.

【文献抄読】

担当:五十嵐さん(D1)

タイトル:Modulating Brain Rhythms of Pain Using Transcranial Alternating Current Stimulation (tACS) – A Sham-Controlled Study in Healthy Human Participants

出典:May et al., J Pain, 2021 doi: 10.1016/j.jpain.2021.03.150

  • 背景:tACSはヒトの律動的脳活動を非侵襲的に変調させることができる刺激手法である.これまでに,痛みと律動の関係について明らかにされつつあるが,実際にヒトの律動活動を変調させることで得られる効果については不明な点が多い.
  • 方法:右利きの健康な被験者(n=29)を対象に,体性感覚野および前頭前野に対するtACS介入(α帯域刺激,γ帯域刺激,sham刺激)が痛み知覚強度と痛みに伴う自律神経応答に及ぼす影響を検討した.
  • 結果:体性感覚野および前頭前野に対するα・γ帯域tACSによる痛みや痛みに伴う自律神経応答の有意な変調は認められなかった.
  • 結論:tACSは痛みに対して影響を及ぼさなかった.