8/29 勉強会

【研究報告】

担当:田宮先生

タイトル:テーラーメイド型の運動指導介入は,糖尿病性腎臓病患者における心大血管疾患発症リスク及び全死亡率を抑制する

  • 背景:糖尿病を基礎疾患とする糖尿病性腎臓病患者において,運動療法は心大血管疾患の発症や死亡率を抑制する重要な要因となる可能性があるが,コンセンサスは得られていない.
  • 目的:糖尿病性腎臓病患者における運動介入が,新規の心大血管疾患の発症や死亡リスクに与える影響を明らかにすること.
  • 方法:研究デザインは,傾向スコアマッチングを用いた単施設の前向き研究とした.67例の介入群と年齢,性別,糖尿病歴,腎症の重症度,血圧,HbA1c,Hb,HDL-C,LDL-C値を傾向スコアマッチングにより一致させた67例を対照群とした.対照群には通常診療を行い,介入群には通常診療に加えて6か月間にわたり,個別の運動指導介入を実施した.2年間の追跡調査を行い,2群間における新規の血管イベント発生リスクと全死亡率を比較した.
  • 結果:2年後の累積生存率は,対照群:0.715 vs. 介入群:0.881であり,介入群が有意に高かった(p=0.016).
  • 結論:糖尿病性腎臓病患者におけるテーラーメイド型の運動指導介入は,新規の心大血管疾患発症リスク及び全死亡率を抑制した.

【文献抄読】

担当:平林先生

タイトル:Acute whole-body vibration reduces post-activation depression in the triceps surae muscle

出典:Kurause et al., Hum Mov Sci. 2020. doi 10.1016/j.humov.2020.102655

  • 目的:10HzのWBVで刺激間隔1秒のPADを検討しWBV後の脊髄興奮性の抑制メカニズムを明らかにすることとした.
  • 方法:健常成人28名を対象に,WBV(振動振幅2mm,周波数10Hz)を1分間×2回実施した.計測項目は脊髄興奮性(H/M recruitment curve)と脊髄相反性抑制とした.計測は介入前後で計測を実施した.
  • 結果:脊髄興奮性は介入前後で有意差を認めなかった.脊髄相反性抑制は介入後2分後でpreと比較して有意に増強した.介入後4分,10分後は増強傾向であった.
  • 結論:本研究は,WBV前後で脊髄興奮性の変調は認めず,脊髄相反性抑制が増強したことから,WBVは痙性疾患に対する介入効果が期待できる.つまり,筋緊張に重要な脊髄興奮性を増大させずに,関節運動時に拮抗筋に対する抑制機能である重要な脊髄相反性抑制が増強され,円滑な関節運動や歩行機能の向上に有効である結果となった.