6/12 勉強会

【研究報告】

担当:村上さん

タイトル:Nordic hamstring exerciseとRazor hamstring curlにおけるeccentric force・筋活動の比較

  • 目的:Nordic hamstring exercise(NHE)とRazor hamstring Curl(RHC)で発揮されるeccentric forceと筋活動を比較することとした.
  • 方法:運動習慣のある健常男子大学生15名を対象とした.NHE,RHCをランダムな順で実施し,利き脚から発揮されたeccentric forceと大腿二頭筋,半腱様筋,大殿筋,脊柱起立筋の筋活動を測定した.
  • 結果:eccentric force はRHCがNHEと比較して有意に高値を示した.半腱様筋の筋活動はNHEがRHCと比較して有意に高値を示し,大腿二頭筋の筋活動はNHEがRHCと比較して高値傾向を示した.大殿筋,脊柱起立筋の筋活動では有意な差は認められなかった.
  • 結論:RHCはNHEと比較してeccentric forceが大きく,NHEはRHCと比較してハムストリングスの筋活動が大きいことが明らかとなった.ハムストリングスにおいて高い筋活動を発揮させることを目的とする場合はNHE,ハムストリングスの伸張位でより高い筋力を発揮させることを目的とする場合はRHCの実施が望ましい.

【文献抄読】

担当:藤本先生

タイトル:Core Body Temperature Changes Prior to Sleep are Associated with Nocturnal Heart Rate Variability

出典:Bigalke et al., J Appl Physiol, 2023. Online ahead of print. DOI: 10.1152/japplphysiol.00020.2023

  • 目的:入眠時には熱産生の低下や熱放散の増加によって深部体温が低下する.この時,体温の変化と並行して心拍数の低下や自律神経活動が変化し,その変化の傾向は睡眠中も持続される.これまで,睡眠研究は健常者や有疾患者でのみ行われていたことから,睡眠不足者の入眠時の体温変化や睡眠中の心拍・自律神経活動の関係について検討した.
  • 方法:15名の成人 (男性10名,女性5名) において,消化器温,睡眠中の心拍・自律神経活動,睡眠の質などを測定した.
  • 結果: 睡眠前の深部体温低下の程度が小さい (体温が低下しないor体温が上昇する) とN3睡眠の時間が短く,副交感神経活動が小さいという相関関係が見られた.
  • 考察:睡眠不足者では入眠時の体温低下が睡眠の質や睡眠中の心拍・自律神経活動と関連していることが明らかとなった.