10/16 勉強会

【研究報告】

担当:宮口先生

タイトル:小脳および補足運動野に対するtACSが両手スキルの運動学習に与える効果

  • 目的:小脳および補足運動野(SMA)に対するγ帯域のtACSが両手スキルの運動学習に与える効果を明らかにすること.
  • 方法:対象は右利き健常成人42名とした.両手運動課題にはPurdue pegboard test(PPT)を使用し,1分間に組み立てたPPTのパーツ数を計測した.tACSは導電性ゴム電極を小脳と左肩に貼付し,刺激強度1.0 mA,刺激周波数70 Hzにて実施した.刺激条件は小脳条件,SMA条件,sham条件の3条件とした.ベースライン成績の評価としてPPTを1回遂行した後,各刺激条件を試行中に14回のPPTを遂行し,翌日に保持テストとして刺激を行わずに3回のPPTを遂行した(計18回).
  • 結果:混合要因における分散分析の結果,各条件間における学習率に有意差は認められなかった.
  • 考察:小脳およびSMAに対して70 HzのtACSを両手運動課題中に施行しても両手スキルの運動学習は向上しない結果が示された.今後は,刺激シミュレーションを用いて電極配置および刺激方法を再検討する必要がある.

【文献抄読】

担当:明さん

タイトル:Multimodal control of dendritic cell functions by nociceptors

出典:Hanc et al., Science.2023, 379(6639):eabm5658. doi: 10.1126/science.abm5658 IF: 64.8 Q1

  • 背景と目的:侵害受容器はいくつかの病態生理学的設定において侵害受容器(DC)を制御することが示されている.しかし,侵害受容器とDCのクロストークの基礎となる分子機構とDCの免疫生物学における侵害受容器の関与は証明されていない.そのため侵害受容器とDCのクロストーク明らかにすることを目的とし研究を行った.
  • 方法:DCと侵害受容器を単独または共培養しin vitroにておこない,薬理阻害でのサイトカイン発現量をみたりイメージングを使用し細胞間距離やカルシウム流動を計測した.
  • 結果:DCと侵害受容器が接触した状態であるとカルシウムが脱分極方向に流動していることが明らかとなった.
  • 結論:DCと侵害受容器が接触した状態かつ同時活性化している場合DCからのサイトカイン量が増え炎症反応が増大することが明らかとなった.