12/4 勉強会

【研究報告】

担当:長坂先生

タイトル:in vivo ドーパミン放出イメージングとその後

  • 背景:腹側被蓋野ドーパミン神経は広く大脳皮質に投射し,神経伝達を制御することが知られている.本研究では,この投射が,体性感覚応答(S1応答)に与える影響を調べる目的で行った.
  • 方法:ラットの腹側被蓋野に電極を挿入し,単発刺激を与えた.その後,200,100,50,40ms後に前肢に電気刺激を与え,誘発されるS1応答を記録した.
  • 結果:腹側被蓋野刺激後100-40msの区間ではS1応答が抑制された.
  • 結論:ドーパミン神経は限られた時間帯においてタイミング依存的に感覚情報を制御していることが考えられた.

【文献抄読】

担当:遠間さん

タイトル:Association between the dry-land strength & power and the kick start kinetics in elite male and female swimmers

出典:Santos et al., Sports Biomech, 2022, 1-11. doi: 10.1080/14763141.2022.2158921

  • 背景と目的:競泳スタートパフォーマンスを向上させるために,競泳選手はスクワットや跳躍運動のような陸上トレーニングを行う.これらの陸上トレーニングが競泳スタート動作中のスタート台への力発揮をどのように変化させるのかは不明である.本研究の目的は,競泳選手の陸上トレーニングがスタート動作中の力発揮への関連を明らかにすることとした.
  • 方法:ナショナルチームに所属する14名(男性:8名,女性:6名)とを対象とした.陸上にてフルスクワットの最大挙上重量(Smax)と2種類の跳躍(CMJとSJ)の跳躍高を算出し,競泳スタート動作の際にスタート台に対して加えられる3次元軸のPeak Forceとの関連を検証した.
  • 結果:Smaxが競泳スタート動作時に発揮するPeak Forceと高い関連を示した.さらに,男女別で分析すると男性はSmaxと競泳スタート時の垂直方向のPeak Forceと,女性はSmaxと水平方向のPeak Forceとの間に高い関連を示した.
  • 結論:競泳スタート動作においてスクワットトレーニングは有用なトレーニングである可能性が示唆された.しかし,性別を考慮した場合,スクワットトレーニングが異なる筋力挙動を増強する可能性があることを指導者は認識するべきである.