12/12 勉強会

研究報告

担当: 久保

研究テーマ: 下肢関節のスティフネスの変化が立脚中期のCOM軌跡へ与える影響

  • 目的:歩行時立脚中期での「つまづき」から前方転倒への進展を防ぐには,つまづきを起こした遊脚側のリカバリーを支える立脚側の適切な振る舞いが必要である.
  • 方法:立脚側関節のスティフネスを変化させ,立脚側の振る舞いを数学的モデルでシミュレーションした.さらに下肢全体のスティフネスを関節スティッフネスと下肢関節角度の関数として求めた.
  • 結果:下肢全体の前方回転を抑制するには前足部の高スティフネスがある程度有効であるが,床面と遊脚のクリアランスを確保する意味では前足部の低スティフネスと足関節高スティフネスの組み合わせが有効である.下肢全体のスティフネスは,関節スティフネスの変化させるよりも,下肢関節角度の変化に大きく影響される.
  • 考察:前方転倒を防ぐには,「つまづき」発生時の運動速度および関節角度に対応した戦略がある.戦略に応じて短時間に協調的関節スティフネスの組み合わせを得る能力の必要性が示唆された.

 

文献抄読

担当;田巻

論文;Dominguez et al, Increased nitric oxide-mediated vasodilation of bone resistance arteries is associated with increased trabecular bone volume after endurance training in rats. Bone. 2010 46(3):813-819.

要旨;

  • 背景:加齢により骨内のNO依存性血管拡張や血流量の低下がみられるが,持久的運動により骨量が増加するのと同様にこれらは改善される.
  • 方法:高齢(24-26ヶ月齢)および若齢(4-6ヶ月齢)ラットに持久的運動(ウォーキング程度)を10-12週間行うことで,大腿骨内血管の機能的改善と海綿骨の量的質的改善およびそれらに関連があるかを検討した.
  • 結果:高齢、若齢いずれにおいても,血管拡張は運動トレーニングにより増大し,特に高齢においてはNO依存性血管拡張は77%増強した.また,大腿骨内血流量,海綿骨量,骨梁数および骨密度も,高齢群は若齢群よりも低いレベルにあるものの,運動トレーニングにより増大した.
  • 考察:血管拡張の程度と骨量レベルとに相関がみられ,持久的トレーニングによる骨量増加は,骨血管内NOS signaling pathway経由の血管拡張と関連性があることが示唆された.