12/23勉強会
【研究報告】
担当:長尾さん
タイトル:
【文献抄読】
担当:佐藤 (慎) さん
タイトル:IEffects of Ball Size and Weight on Throwing Kinematics and Kinetics in Youth Baseball Athletes
出典:Moore et al., Am J Sports Med. 2024 52:(2):516–521. doi: 10.1177/03635465231213333B2
- 背景:野球では,少年野球選手は,塁間距離が短く,投球距離が短く,マウンドが小さいフィールドでプレーする.しかし,少年野球選手はプロレベルで使用されるものと同程度の重さの野球ボールを使用しており,少年野球選手が怪我をしやすい要因となる可能性がある.
- 目的:(1)少年野球選手において,より小さい野球ボール,より軽い野球ボール,およびより小さく軽い野球ボールを投げることが投球腕のストレスに及ぼす影響を明らかにすること. (2)ボールの大きさと重さを変えることが,投球動作中の肘関節内反トルク,肩関節牽引力,および投球腕内旋速度にどのような影響を及ぼすかを調査すること.
- 方法:38名の青少年野球選手(平均年齢8.3± 0.8歳)を対象とし投球側内旋速度,肘関節内反トルク,肩関節牽引力を分析した.反射マーカーセットとカメラ動作解析システム12台を用いて3次元動作データを収集した.参加者は,ピッチングマウンドから14m先の目標に向かって,5種類の野球ボールを無作為の順序で3回ずつ全力投球を行った.
- 結果:5オンス(0.142kg)のボールと比較して3オンス(0.085kg)のボールの方で肘関節内反トルクが減少した.肩関節牽引力および投球腕内旋速度については,ボール群間で有意差は認められなかった.
- 結論:5オンスの野球ボールと比較して,3オンスの野球ボールを投球することにより,肘関節内反トルクが減少した.これは,少年野球選手に対するボールの改良の影響を観察し,改良された野球ボールを使用することの安全性を決定するための予備的研究である.