2/10勉強会
【研究報告】
担当:川崎さん
タイトル:
【文献抄読】
担当:須貝さん
タイトル:Locus coeruleus activation contributes to masseter muscle overactivity induced by chronic restraint stress in mice
出典:Liu et al., Neuroreport. 2024. 35(12):763-770. doi: 10.1097/WNR.0000000000002058B2
- 背景・目的:一般に,ストレスにさらされると口輪筋が過剰に活動し,顎関節症の主症状である一貫した筋肉痛を引き起こすと考えられている.しかし,このプロセスの根底にある中枢神経機構は,依然として不明である.ストレスに関連した行動の変化には,咬筋が重要な役割を果たしていると考えられている.そこで本研究では,ストレスによって誘発される咬筋過活動における軌跡神経節の役割を検討することを目的とした.
- 方法:モデル動物としてC57BL/6マウスを用い,14日間の慢性拘束ストレスを負荷した.マウスの行動変化と咬筋の筋電図を測定した.神経細胞の活性化を評価するため,蛍光免疫染色により咬筋におけるFosの発現を観察した.化学遺伝学的試験により咬筋の神経細胞活性を抑制し,再び行動変化と咬筋の筋電図を観察した.
- 結果:その結果,慢性拘束ストレスはマウスの不安様行動,咬筋の過活動,咬筋ニューロンの有意な活性化を誘発することが示された.さらに,ノルアドレナリン作動性ニューロンの活動を抑制することで,ストレスによる不安行動と咬筋の過活動が緩和された.
- 結論:ストレスによって誘発される咬筋の過活動は,ストレスによって誘発される不安様行動や咬筋の過活動の中心的な調節機構のひとつであると考えられる.