4/14勉強会

【研究報告】

担当:平林 怜先生

タイトル:咬合が軌道予測を向上させた

  • 背景・目的:本研究は,咬合の有無が軌道予測に及ぼす青斑核の活性と予測能力を検討することとした.
  • 方法:正常咬合者20名を対象に,軌道予測を咬合の有無で計測した.計測項目は,瞳孔径,反応時間,正答率とした.
  • 結果:咬合により,瞳孔径の散大,軌道予測の反応時間の短縮を認め,正答率は有意差を認めなかった.
  • 結論:咬合による三叉神経入力により,青斑核の活性と遠隔促通効果による脊髄機能の向上が軌道予測の反応時間を短縮させ,反応速度と正答率はトレードオフの関係ではあるが,正答率を維持して反応時間を短縮させたことで,咬合による高い効果を認めた.

【文献抄読】

担当:廣瀨 貴喜さん

タイトル:The effects of subsensory electrical noise stimulation on the reactive control of balance during support surface perturbations

出典:Bassiri et al., Gait Posture 114: 297-304, 2024. doi: 10.1016/j.gaitpost.2024.10.006

  • 背景・目的:転倒は機能障害や早期医療サービスの利用の主な原因である.転倒予防において,反応性バランス制御が重要であると報告されている.バランス制御において感覚下電気ノイズ刺激(SENS)がバランス制御を向上させると報告されているが,反応性バランス制御に与える効果は不明である.本研究の目的は,SENSが反応性バランス制御を向上させるか検証することである.
  • 方法:23名の健常成人に対して,刺激なし,下肢刺激,体幹刺激の3条件下で反応性バランス制御を評価した.前後方向へのトレッドミル外乱によってステップ反応を誘発し,各条件でのステップ反応を比較した.
  • 結果・結論:SENSによって,反応性バランス制御が向上した.SENSは反応性バランス制御を強化し,転倒リスクを軽減する効果的な戦略である可能性が示唆された.