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研究報告

担当:佐藤

研究テーマ:浸水が求心性抑制および皮質内抑制・促通に及ぼす影響

要旨:

  • 目的:本研究では,浸水による求心性入力が求心性抑制および一次運動野における皮質内抑制・促通に及ぼす影響を検証した.
  • 方法:成人男性3名を対象に,浸水および非浸水環境において,求心性抑制(SAIおよびLAI),皮質内抑制(SICI)・促通(ICF)を測定した.
  • 結果:3名の被験者において,浸水条件でのSAIおよびICFの減少が認められた.SICIおよびICFについては同様の傾向は認められなかった.なお,testのMEPは,浸水および非浸水条件において差は認められなかった.
  • 考察:これまでの研究において,浸水が体性感覚情報処理過程に影響を及ぼすことが明らかとなっていることから,本研究の結果は,浸水による求心性の入力が一次運動野の興奮性を変化させている可能性を示唆している.今後,被験者数を増やして確認する必要がある.

文献抄読

担当;吉田

論文;Pearce et al, Neural conduction and excitability following a simple warm up, Journal of Science and Medicine in sport (2011) 20:1-5

要旨

  • 背景:有酸素運動を用いたウォーミングアップ後の神経および筋伝導時間を測定した.
  • 方法:最大心拍数の65%強度のランニングを5分行った後,30分以内にTMS,M-waveを用いて受動筋(短拇指外転筋),活動筋(腓腹筋)から神経伝導時間及び筋伝導時間を記録した.
  • 結果:ウォーミングアップ前後を比較して,TMS,M-waveから記録した神経伝導時間に変化は見られなかったが,筋伝導時間は受動筋,活動筋両方において有意な短縮が見られた.
  • 考察:ウォーミングアップ後の筋伝導時間短縮の要因として,ナトリウムイオン/カリウムイオンのポンプ活動を増加させたことやATP代謝回転の増加などによって線維全体の収縮速度が変化したことが推察される.