4/16 勉強会

文献抄読

担当:大西

論文:Fujiwara et al. Transcranial direct current stimulation modulates the spinal plasticity induces with patterned electrical stimulation. Clinical Neurophysiology 122:1834-1937, 2011.

経頭蓋直流電気刺激がPESによる脊髄可塑性を変動させる

要旨

  • 背景:PESを利用することにより,脊髄の可塑的変化を引き起こすことができる.また,経頭蓋直流電気刺激(tDCS)は大脳皮質の興奮性を変動させることができる.本実験では,tDCSがPESによって引き起こされる脊髄可塑的変化に影響を及ぼすことができるか否かを明らかにすることを目的とした.
  • 方法:1)対象:健常男性7名.2)PES:総腓骨神経を対象に実施(10 pulse(1 ms duration, 100 Hz)/1.5秒 × 20分).3)tDCS:10分間刺激(1 mA, 50×70 mm2).M1に陽極または陰極.4)相反抑制評価:Test-conditioning paradigm(Test刺激,後脛骨神経;Conditioning刺激,総腓骨神経).5)実験条件:「PESのみ」「M1陽極刺激+PES」「M1陰極刺激+PES」「M1陰極刺激のみ」.6)評価時期:PES前,PES直後,PES10分後に相反抑制を評価.
  • 結果:「PESのみ」および「M1陽極刺激+PES」条件において相反抑制の増大が認められた.一方「M1陰極刺激+PES」条件ではPESの効果が認められなくなった.
  • 結論:(1)PESによってIa相反抑制を強めることを確認した.(2)tDCS(陰極l)によってPES効果を変動させることができた.(3)tDCS(陽極)はPES効果に影響を及ぼさなかった.