8/6 勉強会

研究報告

担当;北澤

研究テーマ;足部のアライメントの変化が歩行に及ぼす影響

要旨

  • 目的;本研究では,足部のアライメント変化が運動連鎖的にどのように下腿,大腿の回旋に影響し,そのことで膝,股関節周囲のモーメントが変化するかを調べることを目的とした.今回は,本実験の前段階として少数のデータを検証することとした.
  • 方法;被験者は健常成人男性1名とし,実験の概要を説明し同意を得た.三次元動作解析装置(VICON MX Oxford Metrics社),床反力計を用い,直径10㎜のマーカーを68個使用し,Point cluster法,Oxford foot modelにて評価することとした.通常歩行と足底板を使用した歩行にて角度やモーメント違いを検討した.
  • 結果;Oxford foot modelでは,足部を後足部,中足部,前足部に分かれているが,足底板の使用の有無での角度の違いは表れていた.モーメントについては今後検討していく.

文献抄読

担当;豊栄 峻

論文:Yukio Nishimura et al, Neural Substrates for the Motivational Regulation of Motor Recovery after Spinal-Cord Injury. PLOS ONE (2011) 6

要旨

  • 背景:脊髄損傷または脳卒中といった神経損傷後の機能回復を抑うつは妨げ,モチベーションは,機能回復を強化すると考えられているが,神経基盤は不明確なままである.本研究では,脊髄損傷モデルを用いて一次運動野と腹側線条体のコネクティビティとモチベーションのプロセッシング回路に属している構造間のコネクティビティを調査することとなっている.
  • 結果:損傷対側一次運動野と損傷側一次運動野の腹側線条体とのコネクティビティは出現し,回復過程を通して強化された.モチベーションのプロセッシング中枢と腹側線条体のコネクティビティは回復プロセスの間に強化された.
  • 考察:本研究は,一次運動野とモチベーションネットワークの機能的コネクティビティの可塑性を示した.そして,特に脊髄損傷後の手の巧緻性の機能回復の範囲と相関しているかもしれない.腹側線条体(特に側坐核)はモチベーションと報酬の情報処理に重要であることが明らかになっており,側坐核を含む前頭線条体ネットワークの活動はモチベーションのコントロールにおいて重要な役割を果たす可能性がある.そして,その活性化は脊髄損傷後の指巧緻性の機能回復の間,モチベーションを強化するために有効かもしれない.また一次運動野と側坐核はシナプスの相互接続があり,この経路のシナプスの有効性が一次運動野を含む神経回路の再編の根拠をなすかもしれない.