【理学療法学科】八坂敏一教授の研究論文が国際誌に採択! - 新潟医療福祉大学 研究力

新潟医療福祉大学 研究力

2025.02.06

研究者 八坂 敏一

【理学療法学科】八坂敏一教授の研究論文が国際誌に採択!

八坂敏一教授(理学療法学科、病態生理Lab、運動機能医科学研究所)の研究論文が、国際誌「Pain Research」に採択されました。

【研究概要】
慢性疼痛は、多くの方々が苦しんでおり、その原因はまだ十分な解明には至らず、治療に難渋するケースもあります。また、痛みのバイオマーカーの確立も一つの課題といえます。痛みと免疫(炎症)には深い関係があり、免疫細胞が産生するサイトカイン等がバイオマーカーとなる可能性についても研究されています。インターロイキン-27(IL-27)もその一つで、これまでに筆者らはIL-27欠損マウスが、いわば「痛がり」であることを報告しました。 今回の研究では、変形性股関節症患者を対象にIL-27と関節痛の関連について調べました。その結果、痛みが強いほど、血中IL-27濃度が低いという負の相関関係があることを発見しました。今回の結果により、人間においてもIL-27と痛みの関連性が明らかとなり、痛みのバイオマーカーとなる可能性が示唆されました。 本研究は、佐賀大学医学部整形外科教室、免疫学教室との共同研究で行われ、その成果は、2024年10月10日オープンアクセス雑誌「Pain Research」に掲載されました。

【研究者のコメント】
「痛み」はあくまで個人の主観であるため、その客観評価は非常に困難です。そのため、これまでに多くの評価ツール(アンケート調査)が開発されてきましたが、「痛み」には非常に多くの修飾因子があるため使用は限定されます。今回のIL-27は客観評価が可能な測定因子としての可能性が期待されます。今後、変形性股関節症以外の患者においても同様の結果が示された場合、臨床現場で慢性疼痛を客観的に評価できる可能性があります。

>理学療法学科の詳細はこちら
>理学療法学科のInstagramはこちら

【研究者情報】
リハビリテーション学部 理学療法学科
教授 八坂 敏一(やさか としはる)

感覚は5感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)と言われるように様々な種類があり、それぞれの刺激が独自の神経回路を伝わって感覚として認識されます。例えば手の皮膚に与えられた刺激は、皮膚内に存在する受容器により情報へと変換され、末梢神経を介して脊髄に至り、そこから脳へと伝わります。このような感覚情報を伝える神経回路を研究しています。