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2016年2月22日

見(み)る〜診(み)る〜看(み)る

生方 北斗Hokuto Ubukata

助手

担当科目
視覚機能学実習Ⅰ、視覚機能学実習Ⅱ 、視覚機能学実習Ⅲ 、視覚生理学実習 、視覚機能学演習Ⅰ 、視覚機能学演習Ⅱ
専門領域
視覚機能学

■ニックネーム: ウブちゃん (と学生は呼んでいるようです。黙認していますが…笑)
■出身地: 埼玉県
■趣味: ギター、料理
■経歴: 高校、眼鏡士資格取得、眼鏡店入職、視能訓練士資格取得、病院入職、大学入職、現在に至る
■子どもの頃の夢: お菓子屋さん (←小学校の卒業文集を見返したらこんなことが!!)
■尊敬する人: 中学校時代の陸上部の顧問
■座右の銘: 格物究理
■休日の過ごし方: 趣味の時間に費やすか、専門知識についての情報を収集をするようにしています。
■好きな映画: ハングオーバー シリーズ
■好きなアーティスト: B‘z
■好きな食べ物: 白米
■好きな国: 日本が一番!

当該学問に興味を持ったきっかけを教えてください。

私は以前、眼鏡士としてお客様の眼鏡作成に携わっていました。その学生時代、眼鏡店以外にも眼科で外部実習を行う機会があり、そこで初めて視能訓練士を知りました。眼鏡ばかりを学んでいた私は、より深い視覚機能の知識や、幅広い検査技術をもつ視能訓練士に強い衝撃を受け、人の “見えない” という訴えにも、視界がボヤけていたり、視界が狭かったりと患者さん一人ひとりで全く異なる理由があるということに気づきました。そして、眼鏡士として働きながらも “ビジョンケアの気持ち” を大切にしながら、より多く人の視覚に携わりたいと思うようになり、視能訓練士を目指しました。

実は私のように眼鏡士の経歴から視能訓練士を目指す人はあまり多くありません。「患者さんとしてたまたま眼科に行った時に視能訓練士を知った」 、 「視能訓練士の知り合いがいる」 というように、視能訓練士に興味をもつきっかけはさまざまにあると思います。皆さんもそういったきっかけから、視能訓練士を目指してもらえれば嬉しく思います。

専門領域・研究分野について教えてください。

私は研究分野を二つに分けています。
一つ目は子供の眼の健診についての研究です。視力の発達は1歳半をピークに8歳頃まで続くと言われています。そしてその時期に片方の眼の視線が内や外に向いてしまう斜視や、強い遠視があると “弱視” という視力低下を起こしてしまいます。 “弱視” は早期発見に発見され、治療が行われることで治癒の可能性が高まります。しかし、実際に子供は視力が低下したことを口に出して言うことは少なく、それすら気づいていない場合がほとんどです。そのような背景から、子供を対象とした3歳児健診や、幼稚園・保育園の園児に対する定期健診は “弱視” の早期発見という点で非常に重要なものとされています。この健診がより地域に浸透していくための、そしてより質の高い健診を行うための研究を行っています。
二つ目は視能訓練士教育の質の向上についての研究です。例えば、学生さんが実習を通じて検査手技を学ぶ際には “正常” とは何かというところから始まり、それを発展させてどのように “異常” を検査するかというところまで学びます。学生さん同士で検査を行うのであれば “正常” を学ぶことができますが、患者さんを相手にしない限り “異常” を日常的に学ぶのは難しいものです。そのため、実際の患者さんがいなくともシミュレーションを通じて繰り返し “異常” を学ぶことができるような方法について考え、視能訓練士教育の質の向上させていくような研究を行っています。

視機能科学科の目指す資格の活躍の場や、将来性について教えてください。

視機能科学科では 「視能訓練士」 と 「同行援護従業者」 というダブルライセンスの取得を目指しています。メインとなるのは 「視能訓練士」 という国家資格です。視能訓練士の主な活躍の場は、病院で患者様に視力検査や視野検査などを行う ”眼科一般検査分野” が主です。その他にも、子供に多い斜視や弱視に対して訓練指導を行う “視能矯正分野” 、眼疾患の早期発見・早期治療を目的に健診を行う “健診業務分野” 、視覚機能が十分に回復しない患者さんに対して必要な補助具の選定・指導を行う “リハビリ指導” と、多岐に渡ります。
人は外から取り込む情報の80%以上を視覚から得ていると言われています。つまり、人の日常生活において視覚が担う役割はとても多いということです。例えば、家にいるときに目隠しをした状態でいつもと同じ動作ができるでしょうか。いくら住み慣れていたり、使い慣れたものでも、視覚がなくなるだけで生活の質 (QOL) は一気に低下してしまいます。このように視覚を専門とする視能訓練士の活躍が期待されています。しかし今、この視能訓練士は全国に充足しているとは言い難い状況にあります。さらに今後、視覚障害者の数は増加していくとも予想されています。この現状を含め、視能訓練士はQOLサポーターとして将来性にあふれた職業だと思います。

教育・授業において大切していることや考え方を教えてください。

常に 「なぜ?」 という疑問を持ちながら学んでもらうことを大切にしています。視能訓練士が学ぶべき視覚機能や疾患の特性、検査手技には必ず理由があります。ただなんとなく講義や実習を受講してしまうと “そういうものなんだ” と、受け身な考え方になりがちです。知識や技術の習得は “暗記” ではなく “理解” にあると思いますし、考えれば考えただけ印象深く理解することができると思います。学生さんにはそのことが伝わるよう努めています (熱が入りすぎると長々教えてしまうので少し反省していますが…笑) 。
学生さんには疑問の解決に行き詰まったら、いつでも研究室に来て質問を投げかけてほしいです。考えた末に理解してもらうように教えますので、時間にゆとりをもって訪ねてきてくださいね。 (笑)

メッセージをお願いします!

将来、視能訓練士を目指すみなさんへ。
上記でもお話ししたように、視能訓練士は将来性とやりがいのある職業だと思います。
視機能科学科は他分野で活躍された経験豊富な先生方がたくさんいらっしゃいます。そして、本学の中では学生と教員の距離がとても近い学科だと自負しています。それだけに学生さんから色々な話を聞かせてもらったり、時には聞いてもらったり (笑) することが多くあります。もちろん、講義や実習ではピリリとした雰囲気を心がけていますが、それは将来の皆さんを思ってのこと。このように “めんどうみのよい” 視機能科学科に興味を持っていただけたら、オープンキャンパスで是非お会いしましょう。みなさんには視能訓練士、そして視機能科学科の魅力をたっぷり堪能していただければと思います。

次のセンセイを紹介してください!

次は委員会ツナガリの言語聴覚学科 栗崎 由貴子 先生です!本学のベストティーチャーにも選ばれた先生は、いつもにこやかにお話を聞いてくれる憧れのお姉さまです。では栗崎先生、よろしくお願いします!!
そんな、生方先生が在籍する視機能科学科の詳細は以下バナーよりご覧ください。

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スペシャルオリンピックス2016 (2016.02.12-13) 新潟での一枚。

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休日の息抜きはこの相棒と遊ぶことです。