平林 先生の研究論文が「Frontiers in Human Neuroscience」に採択 

2018年12月17日 11:34 更新

アスリートサポートチーム

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平林怜先生(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)の研究論文が『Frontiers in Human Neuroscience』に掲載されました!!平林先生は、通常の筋肉の収縮とは異なる同時収縮に着目した研究をおり、今回の研究は,スポーツやリハビリテーション場面で困る「りきみ」に関する研究です。

【研究内容の概要】

同時収縮は関節の剛性を高める収縮様式であり、関節運動時の同時収縮は円滑な関節運動を阻害してしまいます。これまでの一定の見解として同時収縮中はIa相反抑制が働かないと考えられてきました。しかし、臨床経験から適度な同時収縮は関節運動のパフォーマンスを低下させないのではないかと考え、収縮強度を変化させた同時収縮中のIa相反抑制に着目しました。その結果、最大随意収縮(MVC)の15%MVC以下での同時収縮中ではIa相反抑制の認めたことを明らかにしました。本研究の成果は「Frontiers in Human Neuroscience」に掲載予定です。

◆平林先生からのコメント◆

本研究は、神経生理学的手法により、同時収縮中の収縮強度が脊髄相反性抑制に及ぼす影響を明らかにしました。今後も、脊髄相反性抑制に着目して、関節運動のパフォーマンスを向上させる研究を行っていきたいです。

【本研究成果のポイント】

① 同時収縮強度を変化させIa相反抑制を検討した点

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これまでの研究では同時収縮中にIa相反抑制が働かないと報告されていましたが,筋活動に着目した同時収縮中ではIa相反抑制が15%MVC以下で働くことを明らかにしました。

② 今後の脊髄相反性抑制に着目する点

脊髄相反性抑制には短潜時抑制のIa相反抑制と長潜時抑制のシナプス前抑制(D1抑制)があります。本研究では短潜時抑制であるIa相反抑制にしか着目していませんでしたが、条件刺激間隔が5 msの抑制量に著明な変化があったことから、今後はD1抑制にも着目していく必要があります。

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原著論文情報
  
Hirabayashi R, Edama M, Kojima S, Nakamura M, Ito W, Nakamura E, Kikumoto T, Onishi H. Effects of reciprocal Ia inhibition on contraction intensity of co-contraction. Frontiers in Human Neuroscience [in press]

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