江玉睦明教授らの研究論文が国際誌に採択

2020年1月 6日 10:14 更新

アスリートサポートチーム

edama.jpg江玉睦明教授(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌に掲載されました!

【研究結果】
足関節の後ろにある後下脛腓靭帯と後果間靭帯には強い関係性があることを明らかにしました!

研究の概要
スポーツ選手に好発する疾患として、足関節を底屈(爪先立ち)した際に足関節の後に痛みが発生する足関節後方インピンジメント症候群というものがあります。
その要因の一つに足関節の後ろに存在する後下脛腓靭帯と後果間靭帯が挟まり込まれる(インピンジメントされる)ことが考えられています。

しかし、この後下脛腓靭帯と後果間靭帯の形態や関係性については未だ明らかにされていませんでした。
そこで我々は、後下脛腓靭帯の形態を詳細に分析しました。
その結果、すべての標本で後下脛腓靭帯は表層と深層の線維束が観察でき、その内37%(37/100足)で独立した深層の線維束が存在しました。
さらに、70.3%(26/37足)で後下脛腓靭帯の独立した深層の線維束と後果間靭帯が線維連絡を有していました。
本研究結果は、足関節後方インピンジメント症候群の病態解明の一助となると考えています。

本研究は、国際誌『Surgical and Radiologic Anatomy』に掲載予定です。

江玉先生からのコメント:
本研究結果は遺体を対象にした研究になります。
残念ですが、この研究成果ではアスリートのけがを治すことも予防することもできません。
しかし、このような研究成果を一つ一つ蓄積し、努力していくことが我々の使命であると考えています。
本研究結果を基に生体を対象とした研究を進めていき、一日でも早く有効な治療法や予防法を開発して、けがで苦しむアスリートを一人でも減らしていきたいと考えています。

研究のポイント
1.後下脛腓靭帯の表層と深層の形態

http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/200106-1.pdf (95.1KB)

1:後下脛腓靭帯の浅層の線維束、2:後下脛腓靭帯の深層の線維束、3: 後下脛腓靭帯の深層の独立した線維束、4:後距腓靭帯、5:後果間靭帯

2.後下脛腓靭帯の独立した深部線維束の形態

http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/200106-2.pdf (67.4KB)

1:後下脛腓靭帯の浅層の線維束、2:後下脛腓靭帯の深層の線維束、3: 後下脛腓靭帯の深層の独立した線維束、4:後距腓靭帯、5:後果間靭帯.

原著論文情報
Edama M, Takabayashi T, Inai T, Hirabayashi R, Ikezu M, Kaneko F, Kanta M, Kageyama I.Morphological features of the deep component of the posterior inferior tibiofibular ligament.Surgical and Radiologic Anatomy.[in press]

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