江玉睦明教授と清水蒼平さんらの研究論文が国際誌に採択

2020年1月16日 09:41 更新

アスリートサポートチーム

edama.jpg江玉睦明教授(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)と清水蒼平さん(理学療法学科、4年生)らの研究論文が国際誌に掲載されました!

【研究結果】
肘関節の内側にある尺側側副靭帯の後斜走靱帯の形態を明らかにしました!

研究の概要
野球選手に好発する肘関節障害として、尺側側副靭帯損傷があります。
尺側側副靭帯は、前斜走線維、横走線維、後斜走線維により構成され、前斜走線維が肘関節の安定化に最も重要であり損傷しやすいといわれています。
しかし、後斜走線維も肘関節の安定化に重要であるとする研究もありますが、その形態学的特徴に一定の見解が得られていないことが問題視されていました。
そこで本研究では、ご遺体を対象に後斜走線維の形態を詳細に検討しました。
その結果、後斜走線維を独立した形態のTypeⅠ(46%)と不明瞭な形態のTypeⅡ-a、TypeⅡ-b、TypeⅢ(合計54%)に分類することができました。
不明瞭な形態のTypeが存在することが形態学的特徴のばらつきを生じさせる要因の一つであることが考えられました。
現在、次の研究課題としてこのTypeの違いが肘関節の安定化にどのような影響を与えるかを研究しています。

本研究は、国際誌『Surgical and Radiologic Anatomy』に掲載予定です。

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清水さんからのコメント
本研究は、ご遺体を対象として尺側側副靭帯の後斜走線維の形態学的特徴を明らかにしました。初めての研究はとても大変で悩みましたが、自分で考え、丁寧に問題を解決していく粘り強さがついたと思います。また、論文は指導教員の江玉先生、大学院生の先輩方、ゼミ生と共に試行錯誤して完成したものです。
感謝の気持ちを忘れず、卒業研究で得たことを今後に生かして頑張りたいと思います。

研究のポイント

1.後斜走線維を形態の違いによりTypeした点

http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/200115-1.pdf (2.16MB)

TypeⅠ:後斜走線維の前縁と後縁が関節包よりも表層に位置し、単一の線維束として分離できるもの

TypeⅡ-a:後斜走線維の前縁は分離できるが後縁は分離できないもの

TypeⅡ-b:後斜走線維の後縁は分離できるが前縁は分離できないもの

TypeⅢ:後斜走線維の前縁と後縁が分離できないもの

1:前斜走線維、2:後斜走線維、3:横走線維、4:関節包、5:上腕骨、6:内側上顆、7:尺骨

原著論文情報
Shimizu S, Edama M, Ikezu M, Kanta M, Kaneko F, Kageyama I. Morphological features of the posterior oblique ligament of the ulnar collateral ligament of the elbow joint. Surgical and Radiologic Anatomy.[in press]

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