渡部貴也さんの研究論文が「バイオメカニクス学会誌」に掲載

2020年4月20日 10:17 更新

バイオメカニクスチーム

watabe.jpg渡部貴也さん(理学療法学科15期生、大学院修士課程2年、バイオメカニクスLab、運動機能医科学研究所)の研究論文が「バイオメカニクス学会誌」に掲載されました!
スポーツ外傷で多くある足関節捻挫についての研究となっております。
詳しい内容について紹介いたします。

慢性足関節不安定症の有無が片脚着地からの切り返し動作時の足部機能に及ぼす影響

研究内容の概要:
慢性足関節不安定症(CAI)は足関節捻挫受傷後の後遺症であり、反復性の足関節捻挫を引き起こすことがわかっています。
CAIは動作時に足関節運動の変化をもたらすと報告されているため、受傷場面である着地動作や切り返し動作で動作解析が行われてきました。
しかしながら、スポーツ競技場面で多くみられる着地からの切り返し動作において足部機能に与える影響は明らかではありませんでした。

そこで、本研究では着地からの切り返し動作時の足部機能をCAI群と健常群で比較しました。
結果、CAI群は着地からの切り返し動作時のミスの回数が多く、長腓骨筋の反応時間が遅延することが明らかとなりました。
また、CAI群は足関節内反角度が増加することが明らかとなりました。

渡部さんからのコメント:
本研究結果からCAIは、実際の足部の傾きを正確に感知できないまま課題を遂行していることが明らかになりました。このような遂行すべき課題と、意図する動作の不一致が足関節内反捻挫の再損傷の発生原因の1つになる可能性があります。よって、本研究結果は足関節捻挫の再受傷メカニズムの解明の一助になると考えられます。今後は、より実際のスポーツ動作における足部機能の検証を行っていきたいと考えています。

本研究成果のポイント:
① 片脚着地からの切り返し動作を様々な方向で測定した点

http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2004201.pdf (28.9KB)

② CAI群と健常群の長腓骨筋反応時間の違いを明らかにした点

http://www.nuhw.ac.jp/topics/news/2004202.pdf (15.7KB)
 
原著論文情報  
渡部貴也、高林知也、久保雅義「慢性足関節不安定症の有無が片脚着地からの切り返し動作時の足部機能に及ぼす影響」バイオメカニクス学会誌

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