江玉睦明教授らの研究論文が国際誌「BMC Musculoskeletal Disorders」に採択

2021年11月10日 15:51 更新

神経生理・運動生理研究チーム

舎川真侑さん(理学療法学科17期生,大学院修士課程1年,スポーツ医科学Lab,運動機能医科学研究所)と江玉睦明教授(理学療法学科,スポーツ医科学Lab,アスリートサポート研究センター,運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌『BMC Musculoskeletal Disorders』に掲載されました!

研究の背景

膝前十字靭帯(ACL)損傷は男性と比較して女性で発生率が高く,月経周期のなかでも好発時期が異なると報告されています.この原因として,月経周期で変動する女性ホルモンの影響が考えられています.ACL損傷の危険因子に関節の緩さ(関節弛緩性)が挙げられ,具体的には大腿骨に対する脛骨の前方移動量(膝前方弛緩性)や全身の関節の緩さ(全身関節弛緩性)、膝関節の過伸展(反張膝)があります.関節弛緩性の月経周期における変動は一定の見解が得られておらず,周期区分の方法や測定方法の違いなどが原因と考えました.そこで,我々は月経周期で変動するホルモンであるE2濃度と基礎体温法,排卵キットを使用して周期を区分し,E2濃度の低い時期(卵胞後期)と高い時期(排卵期)で関節弛緩性が変化するかを調べました.本研究は,国際誌「BMC Musculoskeletal Disorders」に掲載予定です.

研究者の先生からのコメント

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 本研究では,月経周期で全身関節弛緩性と反張膝が変化することを明らかにしました.我々の先行研究では,反張膝がある女性では膝前方弛緩性が月経周期で変動することも明らかになっており,月経周期で関節弛緩性が変動しやすい集団と変動しにくい集団が存在することが考えられます.また,ACL損傷を受傷した女性では,月経周期で関節弛緩性がどのような振る舞いをするかは明らかになっていません.今後は,どのような集団が月経周期の影響を受けやすいかを検討していきたいと考えています.

研究成果のポイント

1.月経周期で変動するエストラジオール(E2)濃度が関節弛緩性へ及ぼす影響を検討しました(図1).

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2.反張膝の測定は筋を収縮させない方法で行いました(図2).

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3.卵胞後期と比較して排卵期で全身関節弛緩性と反張膝が高値を示しました(図3).

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原著論文情報

Shagawa M, Maruyama S, Sekine C, Yokota H, Hirabayashi R, Hirata A, Yokoyama M, Edama M. Comparison of anterior knee laxity, stiffness, genu recurvatum, and general joint laxity in the late follicular phase and the ovulatory phase of the menstrual cycle. BMC Musculoskeletal Disorders [in press]