研究の向こうに未来が見える。

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健康スポーツ学科

研究の向こうに未来が見える。

講師

下門 洋文(しもじょう ひろふみ)

最終学歴 筑波大学大学院
学位 博士(体育科学)
保有資格 健康運動指導士、栄養士、中高専修免許(保健体育)、水泳コーチ
趣味 読書、料理
愛読書 故事ことわざ辞典
座右の銘 教うるは学ぶの半ば(We learn by teaching)

人が泳ぐ際に発生する
水の流れの見える化に
関する研究

この研究について動画で詳しく知ろう!

研究をはじめたきっかけ

水泳選手は水の中で気持ち良さそうに進むことができ、これはストローク動作で水からの力をもらっているからです。しかし、水は不安定でかき回されているため、手にどれぐらいの力がかかっているかを直接測ることがとても難しいのです。これを測ってみたいという思いがあって色々と調べていると、魚や鳥といった動物を対象とした流体力学の研究にヒントがありました。それが「水の流れの見える化」でした。

研究内容

水泳では、腕のかき方を表現する時によく「水を押す」と言われます。感覚的には水を押していると思いますが、実は水は押されていません。水中で手を動かすと手の裏側に渦が生まれ、この渦の働きによって手のひらと裏側に圧力ができ、これが力として手に働きます。つまり、水の中でどんなに力強く手を動かしても速く泳げるわけではなく、渦の大きさや回転速度、いわゆる渦の作り方こそが水から力を受け取るためのカギだったのです。私の研究では、見える化した渦からスイマーが得た力を推定しています。

この研究の先に

水の流れを見える化することで、水泳時の水から得る力のメカニズムを解明することができました。さらに研究が進めば、泳げない人が泳ぐにはどうすればいいのかを説明できるようになります。水を押すことで進むという思い込みが変わり、水泳の指導法に科学的な考え方が入ることで、日本中で泳げない人が減るかもしれません。

高校生へメッセージ

スポーツに限らず、いかに科学的な視点で物事を捉えることができるかがこれからの時代のポイントになっていきます。また、健康な社会を作るためにも運動の意義をしっかり理解した人の需要は世界中で高まっています。健康スポーツ学科はそのような人材育成を目指す学科です。