思春期の身体変化は
その後の競技人生にどう影響するのか?

心理健康学科/助教/千葉 陽子
Department of Psychological Sciences/Yoko Chiba

女性アスリートを支えるユース期に有効な心理支援の開発

思春期と産後をつなぐ女性アスリートの心の課題

アスリートのカウンセリングに携わる中で、女性選手は思春期や妊娠・出産など、人生の節目ごとに大きな身体の変化と向き合い続けていることに気づきました。思春期には急激な成長により動きにくさやパフォーマンス低下を経験し、自分の身体をどう受け止めればよいか迷うことがあります。さらに、産後の競技復帰でも、変化した身体への戸惑いや不安を抱えながら競技に向き合う姿が見られます。こうした経験は別々の出来事ではなく、「変化する身体とどう向き合うか」という共通のテーマでつながっています。思春期の身体との向き合い方が、その後の競技人生にも影響するのではないかと考えたことが、研究の出発点です。

成長の流れに沿った心理支援が競技人生を支える

この研究は、女性アスリートの心と身体の変化を発達の流れとして捉え、特に中高生期に必要な心理支援の在り方を明らかにすることを目的としています。思春期には体型の変化によって今までできていたことが急にできなくなり、不安や自信の低下を感じる選手も少なくありません。これを個人の弱さではなく、女性特有の成長過程として理解することで、適切な支援が可能になります。さらに、思春期から妊娠・出産、産後復帰までを一つの連続したプロセスとして捉えることで、長期的に競技を続けるための心理サポートの基盤を整えることができます。将来にわたり安心して競技に取り組める環境づくりへの応用が期待されます。

一人ひとりの語りから共通点を紐解く面白さ

研究の魅力は、女性アスリートの経験を「点」ではなく「線」としてつなげて理解できるところにあります。思春期の戸惑い、出産後の不安、復帰への葛藤は一見別々の出来事ですが、選手の語りを丁寧に聞いていくと、その奥には共通する感じ方や考え方が浮かび上がってきます。数値データだけでは見えない、身体感覚や競技への思いが研究を深めてくれる点も大きな魅力です。個々の体験は異なっていても、そこから多くの選手に共通する課題が見えてくる瞬間には大きな発見があります。研究成果が現場での支援につながり、選手の実力発揮を支えられる点がこの研究の最大のやりがいです。

高校生へのメッセージ

身体や心の変化に戸惑うことは、成長を理解する入口です。自分の変化を知ろうとする姿勢は、深く考え、ものごとを丁寧に探究する力にもつながります。自分自身を大切に見つめてみてください。

心理健康学科/助教/千葉 陽子
Department of Psychological Sciences/Yoko Chiba

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