心理・福祉学部 心理健康学科

2024年4月開設決定!

心理健康学科の学問領域

「基礎(あたま)× 臨床(こころ)× 運動(からだ)」をまるごと理解し、自分と社会の未来を創る

心理健康
  • 基礎

    ヒトの誕生は、地球が誕生してから現在までの時間を1年とすると、12月31日午後11時37分です。この残り23分で他者に「共感」し、高度な文明を築いてきました。種としてのヒトを解明していくのが基礎心理領域です。

  • 臨床

    人は誰でも悩みながら成長していきます。しかし、一人で悩むことは大変辛いことです。そんな時、優しく話を聞き、寄り添い支えてくれる人が重要になります。そんな優しく他人に寄り添い、共に成長していく「協働」する人を目指していくのが臨床心理領域です。

  • 運動

    「切磋琢磨」という言葉通り、スポーツではライバルと競い合いながら新しいものを創りあげていきます。この「競創」によって運動スキルだけでなく、人としての「こころ」の成長も目指していくのが運動心理領域です。

  • 同じ長さなのに
    長さが違って見えるのはなぜ?

    上の2本の赤線の長さは同じでしょうか?上の赤線の方が長く見えますよね。これは、有名なミューラー・リヤー錯視と呼ばれる図形です。線の両端につけた矢の向きによって線の長さが違って見えるのです。では、なぜ長さが違って見えるのでしょうか?赤線の長さだけを判断しようとしても、両端についている矢の影響を受けてしまうからだと考えられています。
  • 梅干しを見ると
    ツバが出るのはなぜ?

    犬にベルを鳴らしてエサを与えると、ベルを鳴らしただけで、犬が唾液を分泌するようになります。これは、ロシアのパブロフが実験で発見した生理現象で、「パブロフの犬」と呼ばれる条件づけられた反射です。ヒトもすっぱい梅干しを食べたときに唾液が出る経験を重ねると、次第に梅干しを見るだけで唾液が出るようになります。これがヒトの行動選択の基本となる「条件づけ」です。私たちの毎日の行動の中にも、条件づけられた行動が実はたくさんあるのです。

  • 人前でしゃべろうとすると
    ドキドキするのはなぜ?

    人前に立った時に、胸がドキドキ、手に汗握り、手足が震えたことはありませんか?これは、ストレスによって交感神経系が興奮するからなのです。人には「戦闘モード」に入った時に興奮する交感神経系と、「お休みモード」に入る副交感神経系があります。「戦闘モード」ではホルモンの影響で、心臓の鼓動を早くし、血圧を上げ、汗腺を刺激します。これはストレスに対する自然な反応なので心配はいりません。そんな時は、深呼吸をして副交感神経系を刺激しましょう。
  • 「推し」の持ち物が
    欲しくなるのはなぜ?

    あなたの「推し」は誰でしょうか?推しが強くなればなるほど、推しの持っているもの、推しの着ているもの、推しの履いているものなどが欲しくなりますよね。これは、推しの特徴に注意が向けられ、それを何度も見て好きになるうちに、自分も推しと同じような行動を取ろうとして持ち物や着ているもののマネ(模倣)が始まるからなのです。「社会的学習」や「モデリング」と呼ばれるこの行動は、推しと「同一化」を図る過程で起こるものなのです。

  • 正確にボールを蹴ろうとすると
    球速が落ちるのはなぜ?

    2022年のサッカーワールドカップでは、多くのPK戦があり、GKのPKセーブ率は34%で、前回大会の25%を大きく上回ったそうです。それでもGKのPKセーブ率は3本に1本で、キッカーの方が有利です。しかしキッカーが、正確に蹴ろうとすればするほど、ボールの速度は低下してしまいがちです。これは「フィッツの法則」や「速度―精度相反性」と呼ばれ、速度を優先すれば正確性が低下し、正確性を優先すれば速度が低下するというものです。速く、正確には難しいのですね。
  • 一人で走るより、誰かと競争した方が
    速く走れるのはなぜ?

    2009年の陸上世界選手権男子100メートル決勝で、ゲイ選手と一緒に走ったボルト選手は、世界記録を出しました。これは、ストライド(一歩の長さ)の長いボルト選手が、ピッチ(足の回転)の速いゲイ選手につられて、ピッチも速くなったからではないかと言われています。また、他者の存在が競争本能を生んだのかもしれません。こうした現象を「社会的促進」と言います。また、この逆の、他者と一緒にやることで手を抜くという「社会的手抜き」という現象もあります。