心理・福祉学部 心理健康学科(仮称)

2024年4月新設【認可申請中】

入学定員80名

日本で唯一!「あたま」心理 「こころ」心理 「からだ」心理 をまるごと学べる

「基礎(あたま)×臨床(こころ)×運動(からだ)」をまるごと理解し、自分と社会の未来を創る

目標とする資格

公認心理師

公認心理師は、年々複雑かつ多様化してきている心の健康問題に、必要なケア、サポートを行い問題解決に導く専門職です。2017年に施行された日本で唯一の心理職の国家資格であり、保健医療、福祉、教育、司法、産業の幅広い分野での活躍が求められています。
※卒業後、大学院での指定科目の履修または規定の実務経験が必要となります。

取得可能な資格

■ 認定心理士

■ 産業カウンセラー

■ 社会福祉主事任用資格

心理健康学科の学問領域

「基礎(あたま)× 臨床(こころ)× 運動(からだ)」をまるごと理解し、自分と社会の未来を創る

心理健康
  • 基礎

    ヒトの誕生は、地球が誕生してから現在までの時間を1年とすると、12月31日午後11時37分です。この残り23分で他者に「共感」し、高度な文明を築いてきました。種としてのヒトを解明していくのが基礎心理領域です。

  • 臨床

    人は誰でも悩みながら成長していきます。しかし、一人で悩むことは大変辛いことです。そんな時、優しく話を聞き、寄り添い支えてくれる人が重要になります。そんな優しく他人に寄り添い、共に成長していく「協働」する人を目指していくのが臨床心理領域です。

  • 運動

    「切磋琢磨」という言葉通り、スポーツではライバルと競い合いながら新しいものを創りあげていきます。この「競創」によって運動スキルだけでなく、人としての「こころ」の成長も目指していくのが運動心理領域です。

  • 同じ長さなのに
    長さが違って見えるのはなぜ?

    上の2本の赤線の長さは同じでしょうか?上の赤線の方が長く見えますよね。これは、有名なミューラー・リヤー錯視と呼ばれる図形です。線の両端につけた矢の向きによって線の長さが違って見えるのです。では、なぜ長さが違って見えるのでしょうか?赤線の長さだけを判断しようとしても、両端についている矢の影響を受けてしまうからだと考えられています。
  • 梅干しを見ると
    ツバが出るのはなぜ?

    犬にベルを鳴らしてエサを与えると、ベルを鳴らしただけで、犬が唾液を分泌するようになります。これは、ロシアのパブロフが実験で発見した生理現象で、「パブロフの犬」と呼ばれる条件づけられた反射です。ヒトもすっぱい梅干しを食べたときに唾液が出る経験を重ねると、次第に梅干しを見るだけで唾液が出るようになります。これがヒトの行動選択の基本となる「条件づけ」です。私たちの毎日の行動の中にも、条件づけられた行動が実はたくさんあるのです。

  • 人前でしゃべろうとすると
    ドキドキするのはなぜ?

    人前に立った時に、胸がドキドキ、手に汗握り、手足が震えたことはありませんか?これは、ストレスによって交感神経系が興奮するからなのです。人には「戦闘モード」に入った時に興奮する交感神経系と、「お休みモード」に入る副交感神経系があります。「戦闘モード」ではホルモンの影響で、心臓の鼓動を早くし、血圧を上げ、汗腺を刺激します。これはストレスに対する自然な反応なので心配はいりません。そんな時は、深呼吸をして副交感神経系を刺激しましょう。
  • 「推し」の持ち物が
    欲しくなるのはなぜ?

    あなたの「推し」は誰でしょうか?推しが強くなればなるほど、推しの持っているもの、推しの着ているもの、推しの履いているものなどが欲しくなりますよね。これは、推しの特徴に注意が向けられ、それを何度も見て好きになるうちに、自分も推しと同じような行動を取ろうとして持ち物や着ているもののマネ(模倣)が始まるからなのです。「社会的学習」や「モデリング」と呼ばれるこの行動は、推しと「同一化」を図る過程で起こるものなのです。

  • 正確にボールを蹴ろうとすると
    球速が落ちるのはなぜ?

    2022年のサッカーワールドカップでは、多くのPK戦があり、GKのPKセーブ率は34%で、前回大会の25%を大きく上回ったそうです。それでもGKのPKセーブ率は3本に1本で、キッカーの方が有利です。しかしキッカーが、正確に蹴ろうとすればするほど、ボールの速度は低下してしまいがちです。これは「フィッツの法則」や「速度―精度相反性」と呼ばれ、速度を優先すれば正確性が低下し、正確性を優先すれば速度が低下するというものです。速く、正確には難しいのですね。
  • 一人で走るより、誰かと競争した方が
    速く走れるのはなぜ?

    2009年の陸上世界選手権男子100メートル決勝で、ゲイ選手と一緒に走ったボルト選手は、世界記録を出しました。これは、ストライド(一歩の長さ)の長いボルト選手が、ピッチ(足の回転)の速いゲイ選手につられて、ピッチも速くなったからではないかと言われています。また、他者の存在が競争本能を生んだのかもしれません。こうした現象を「社会的促進」と言います。また、この逆の、他者と一緒にやることで手を抜くという「社会的手抜き」という現象もあります。

教育の特色

6年間の一貫した“公認心理師”養成教育

公認心理師の受験資格を得るためには、学部で受験に必要な科目を履修して卒業した後、2年以上の実務経験もしくは、大学院で必要な科目を履修し修了することが求められます。本学では、心理健康学科および併設予定の大学院※のカリキュラムにおいて、大学から大学院までの6年間で一貫した公認心理師養成教育を受けることができます。
※2028年4月に大学院修士課程心理学専攻の設置を構想中

“チーム医療”で活躍できる公認心理師を養成

患者さんのニーズの多様化に伴い、医療における多職種連携が進んでいます。本学では医療系総合大学であるメリットを活かし、他学科の学生とともにチームで学ぶ「連携教育」を導入しています。この教育では、チーム医療の一員として求められる、他職種への理解やチームワークスキルについて学んでいきます。「チーム医療」の中で心理職がどういった役割を果たせるかを理解するとともに、幅広い視野を持って患者さんのこころをケアする力を磨きます。

“アスリートの心理”を実践的に学べる

スポーツカウンセリングを専門とする教員から、実体験を踏まえたアスリートの心理を学ぶことができます。また本学では、全12種目を強化クラブとして指定し、トップアスリートおよび指導者の育成に取り組んでいます。このような環境を活かし、競技力向上に役立つスポーツメンタルトレーニングなど、「こころ」と「からだ」の両面からサポートする、実践的な手法を身につけます。

“経験豊富な”教師陣

教授 坂田 省吾

略歴
広島大学大学院 総合科学研究科・人間社会科学研究科 教授
日本学術会議 第一部会員 心理学・教育学委員会

【専門領域】
時間の経つのが早いのか遅いのか?時間の知覚に興味を持って研究しています。生理心理学、比較心理学、行動科学が専門分野です。オペラント条件づけを用いた実験心理学的手法で脳活動と行動との関係を探究しています。心理学をよく知っている公認心理師を目指して、心について一緒に考えましょう。

【専門領域】
時間の経つのが早いのか遅いのか?時間の知覚に興味を持って研究しています。生理心理学、比較心理学、行動科学が専門分野です。オペラント条件づけを用いた実験心理学的手法で脳活動と行動との関係を探究しています。心理学をよく知っている公認心理師を目指して、心について一緒に考えましょう。

教授 山﨑 由美子

略歴
国立研究開発法人理化学研究所 象徴概念発達研究チーム 副チームリーダー

【専門領域】
生物が環境内の情報を統合し、どのような答えを導き出すか、という認知機能や思考過程に関心があります。認知や思考には種や文化により異なる様式がありますが、経験を通しても変化することがあります。実験心理学の研究方法を身に着けて、一緒に心の多様性に触れてみましょう。

【専門領域】
生物が環境内の情報を統合し、どのような答えを導き出すか、という認知機能や思考過程に関心があります。認知や思考には種や文化により異なる様式がありますが、経験を通しても変化することがあります。実験心理学の研究方法を身に着けて、一緒に心の多様性に触れてみましょう。

開設準備室長からのメッセージ

山本 裕二

略歴
名古屋大学 総合保健体育科学センター 教授
前 日本スポーツ心理学会会長
(一社)日本体育・スポーツ・健康学会体育心理学専門領域会長
(一社)日本体育・スポーツ・健康学会「体育学研究」編集委員長

「基礎(あたま)× 臨床(こころ)× 運動(からだ)」をまるごと理解することによって、自ら成長し、未来社会を創る「心理健康学科」です。
「人」は生まれてから死に至るまでその一生の中で環境に適応し、発達していきます。種としての「ヒト」は進化の中で、高度な脳機能を獲得し、文化を育んできました。また我々は「人間」として、社会の中で様々な行動を学習しながら生きていきます。心理学は、こうした「ヒト」「人」「人間」の心や行動を、実験や観察、面接や調査など科学的な手法によって、実証的に明らかにしていく学問です。人の生き方に正解はありません。だからこそ、正解のない問いに挑戦し続けることこそが「生きる」ことなのです。そのためには、まずは自らの「身心の健康」が大切です。心理健康学科では、自らの身心の健康を維持・増進し、他人を理解するために、まずは自分を理解することを目指します。
種としてのヒトを理解する「基礎心理」、社会の中での人を理解する「臨床心理」、からだとのつながりの中で人間を理解する「運動心理」の3つのアプローチから、「あたま」「こころ」「からだ」を全部まるごと究めていきます。全部まるごと学べるのは、世界でもユニークで、日本では唯一です。
自分をもっと知りたい人、他人を支援したい人、社会の役に立ちたいと考えている人、一緒に成長しましょう。自らの成長が、他人を支援することに繋がるのです。これまで皆さんは、「わかっている」ことを覚えてきました。こうした理解の仕方を「重ね合わせ的理解」と呼びます。他方、「わからない」ことに対して、自分で仮説を立てて、それを検証しながら理解していくことを「発見的理解」と呼びます。この「発見的理解」に終わりはありません。なぜなら、実はわかっていることの方が少ないからです。「こころはどこにあるのか?」という問いにはまだ誰も正確には答えられません。「ヒト・人・人間」ってなんだろう? 一緒に考えていきませんか?
私たち教員スタッフは、全力で皆さんと一緒に考えます。そして、自分を知り、医療、福祉、教育、スポーツ、企業などで他人を支援し、幸せな社会を創っていきましょう。できるだけ皆さんの興味や関心を発展させることができるように、必修の科目は少なくして、自由に選択できる科目を数多く用意したカリキュラムとなっています。例えば、「比較認知科学」「神経心理学」「認知行動療法」「ブリーフ・セラピー」「メンタルトレーニング」「スポーツ心理臨床」など、「えっ?どんな内容?」と思うような科目を勉強してみませんか?

幅広い活躍のフィールド

公認心理師資格取得後は、心理専門職として幅広い分野での活躍が期待されていますが、心理学の専門性が生きるのは、心理専門職だけではありません。心理学は社会の様々な場面で実際に応用されている学問です。「ヒト」「人」「人間」について多角的な視点を持ち、問題を論理的に分析し、解決するといった心理健康学科で培う能力は、幅広いフィールドで求められています。

活躍のフィールド

卒業後の進路

大学院進学、地方公務員(心理判定員・児童心理司)、国家公務員(国家総合職〔人間科学〕・法務技官〔心理〕・保護観察官)、心理職、一般職(人事、営業、サービス、リサーチ、事務)等