保健学専攻 作業療法学分野
Field of Occupational Therapy

作業療法の新時代を切り拓く
作業療法学は、心身に障害を負った人々の作業機能回復を促すために、対象者のニーズに合わせた諸活動を用いて治療・指導・援助を行う実践科学です。作業療法学分野では、心身機能障害によって引き起こされる作業機能障害の評価と治療のための基礎および臨床研究と教育を行い、心身機能・活動・社会的側面から評価・治療・指導・援助ができる高度専門職を育成します。さらに作業療法士養成教育を担当する優れた教員を育成し、社会への貢献を目指します。
トピックス
モンゴルにおける障害児を対象としたフィールド調査の実践

写真提供:松尾みきさん(2014年度第3次隊)
2017年度修了の松尾みきさんは、2015年1月から2017年1月の2年間、青年海外協力隊の一員としてモンゴルの保健局に所属して障害児を対象とした活動を行いました。
「派遣中は障害児の発達段階に合わせたアプローチや、ご家族へのホームプログラムの指導を病院や施設で行いました。また、現地では障害児の実態が把握されていなかったため、障害児の生活の実態を把握するために、訪問によるフィールド調査を現地の人々と共に行いました。そして帰国後には、大学院でフィールド調査の結果を『課題研究論文』としてまとめました。併せて学会発表や学術誌への投稿につなげました。
本大学院のJICA連携青年海外協力隊等プログラムでは、派遣前に研究の手法や演習などの知識を身につけて派遣に臨むことができました。そして、派遣中は指導教員の指導を受けながら研究や活動を行うことができ、作業療法の普及していない国で活動を進めるにあたって自分の活動を俯瞰的にとらえることができました。派遣後に現地での活動を論文としてまとめたことは、活動を振り返るだけでなく、伝えることの重要性とその技術を学べたと感じています。大学院で学んだ課題のとらえ方や研究の方法を活かし、今後の作業療法の現場で役立てていきたいと考えています。」(松尾さん)
特色

科学的検証能力の育成
現在、作業療法領域においては、科学的根拠に基づいた作業療法実践の有用性を証明することが求められています。作業療法学分野では、このような時代の要請に応えるために、各領域の専門家により作業機能を効果的かつ科学的に検証する知識・技術を養います。

幅広い専門領域で研究
作業療法学分野では、基礎および臨床系の両面から研究を行っています。基礎系研究では、最新の計測装置を用い、運動生理学と脳科学分野の研究を中心に行っています。臨床系では手外科学、高次脳機能学、内部障害学、認知症、QOLに関する研究を行っています。

各領域の専門家による教育
作業療法学分野の教員スタッフは、ハンドセラピィ、高次脳機能障害学、内部障害学、高齢期障害学、ADLなど、各学会の牽引者として活躍しております。これらの専門家による専門教育により、将来各領域を担うスペシャリストを育成します。
研究テーマ例
※テーマタイトルをクリックすると担当教員の教員紹介をご覧いただけます。
履修モデルと1週間のスケジュール
※ご自身の履修科目等により異なりますので、一例として参考にしてください
- 黒字
- 対面授業を表します。
- 赤字
- メディア授業を表します。メディア授業には同時双方向型、オンデマンド型の形式があり、曜日時限が指定されている場合は、同時双方向または、同時双方向とオンデマンドとの組合わせで実施します。
オンデマンド型は、曜日時限の指定がないため自身のペースで進めることができます。
集中講義は、土日や夏休み、冬休みなどを利用して実施します。
- 緑字
- 自主的な研究活動を表します。所属する分野によって「ゼミ」や「勉強会」と称し、共同で研究活動を実施する場合もあります。個人で、あるいは他の研究生とともに、あるいは指導教員の指導の下で各自の研究を進めますので、曜日時限は各自の都合に合わせて設定します。
フルタイム院生の例
1年次前期
| 1時限9:00~10:30 | 2時限10:40~12:10 | 3時限13:10~14:40 | 4時限14:50~16:20 | 5時限16:30~18:00 | 6時限18:10~19:40 | 7時限19:50~21:20 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 研究 | ||||||
| 火 | 作業療法学特論 | 社会調査法 | |||||
| 水 | 健康科学特論 | 急性期 理学療法学特論 |
|||||
| 木 | 医療技術 安全管理特論 |
自然科学系 研究方法論 |
アカデミック ・スキルズ |
||||
| 金 | 理学療法学特論 | ||||||
| 土 | アルバイト | 研究 | |||||
| 集中講義 | |||||||
| オンデマンド型 | |||||||
1年次後期
| 1時限9:00~10:30 | 2時限10:40~12:10 | 3時限13:10~14:40 | 4時限14:50~16:20 | 5時限16:30~18:00 | 6時限18:10~19:40 | 7時限19:50~21:20 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 研究 | ||||||
| 火 | 研究 | ||||||
| 水 | 学内アルバイト (TA(学部授業補助)) |
||||||
| 木 | |||||||
| 金 | 勉強会 | 作業機能回復学 演習 |
|||||
| 土 | アルバイト | 研究 | |||||
| 集中講義 | |||||||
| オンデマンド型 | 健康運動処方特論、スポーツ生理学特論 | ||||||
2年次前期
| 1時限9:00~10:30 | 2時限10:40~12:10 | 3時限13:10~14:40 | 4時限14:50~16:20 | 5時限16:30~18:00 | 6時限18:10~19:40 | 7時限19:50~21:20 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 研究 | 研究 | |||||
| 火 | 研究 | 研究 | |||||
| 水 | 学内アルバイト (TA(学部授業補助)) |
研究 | |||||
| 木 | 研究 | 研究 | |||||
| 金 | 研究 | 勉強会 | 作業機能回復学 演習 |
||||
| 土 | アルバイト | ||||||
| 集中講義 | |||||||
| オンデマンド型 | |||||||
2年次後期
| 1時限9:00~10:30 | 2時限10:40~12:10 | 3時限13:10~14:40 | 4時限14:50~16:20 | 5時限16:30~18:00 | 6時限18:10~19:40 | 7時限19:50~21:20 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 研究 | 研究 | |||||
| 火 | 研究 | 研究 | |||||
| 水 | 研究 | 研究 | |||||
| 木 | 研究 | 研究 | |||||
| 金 | 研究 | 勉強会 | |||||
| 土 | アルバイト | ||||||
| 集中講義 | |||||||
| オンデマンド型 | |||||||
社会人院生の例
1年次前期
| 1時限9:00~10:30 | 2時限10:40~12:10 | 3時限13:10~14:40 | 4時限14:50~16:20 | 5時限16:30~18:00 | 6時限18:10~19:40 | 7時限19:50~21:20 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 仕事 | 研究 | |||||
| 火 | 仕事 | 作業療法学特論 | 社会調査法 | ||||
| 水 | 仕事 | 臨床心理学特論 | 急性期 理学療法学特論 |
||||
| 木 | 仕事 | 自然科学系 研究方法論 |
アカデミック ・スキルズ |
||||
| 金 | 仕事 | 研究 | |||||
| 土 | スポーツ | ||||||
| 集中講義 | |||||||
| オンデマンド型 | 疫学の基礎と応用 | ||||||
1年次後期
| 1時限9:00~10:30 | 2時限10:40~12:10 | 3時限13:10~14:40 | 4時限14:50~16:20 | 5時限16:30~18:00 | 6時限18:10~19:40 | 7時限19:50~21:20 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 仕事 | 研究 | |||||
| 火 | 仕事 | 研究 | |||||
| 水 | 仕事 | 研究 | |||||
| 木 | 仕事 | 研究 | |||||
| 金 | 仕事 | 研究 | 作業機能回復学 演習 |
||||
| 土 | |||||||
| 集中講義 | 教育学特論、教育心理学特論、教育方法特論、教育評価特論 | ||||||
| オンデマンド型 | |||||||
2年次前期
| 1時限9:00~10:30 | 2時限10:40~12:10 | 3時限13:10~14:40 | 4時限14:50~16:20 | 5時限16:30~18:00 | 6時限18:10~19:40 | 7時限19:50~21:20 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 仕事 | 研究 | |||||
| 火 | 仕事 | 研究 | |||||
| 水 | 仕事 | 研究 | |||||
| 木 | 仕事 | 研究 | |||||
| 金 | 仕事 | 研究 | 作業機能回復学 演習 |
||||
| 土 | |||||||
| 集中講義 | |||||||
| オンデマンド型 | |||||||
2年次後期
| 1時限9:00~10:30 | 2時限10:40~12:10 | 3時限13:10~14:40 | 4時限14:50~16:20 | 5時限16:30~18:00 | 6時限18:10~19:40 | 7時限19:50~21:20 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 仕事 | 研究 | |||||
| 火 | 仕事 | 研究 | |||||
| 水 | 仕事 | 研究 | |||||
| 木 | 仕事 | 研究 | |||||
| 金 | 仕事 | 研究 | |||||
| 土 | |||||||
| 集中講義 | |||||||
| オンデマンド型 | |||||||
修了後の進路
- 病院、施設等における専門作業療法士(専門作業療法士とは、特定の専門分野において高度かつ専門的な実践能力を有する作業療法士に対して、日本作業療法士協会が認定する資格をいう)
- 大学、短期大学、専門学校等の作業療法士養成校における教員
- 大学、研究所、企業等の研究施設における研究者
- 博士後期課程進学
分野長メッセージ
能村 友紀保健学専攻 作業療法学分野長
社会を取り巻く環境は急速に変化し、多様化する社会のニーズに対応するために、作業療法士は質の高いサービスを提供することが求められています。作業療法学分野では、皆さんの主体的な学びと成長を実現するための環境を整えています。大学院での学びを通じて、論理的かつ科学的な思考を身につけ、研究を行うために必要な知識や技術を習得し、社会のニーズに応えられる専門能力を身につけることを期待しています。是非とも大学院進学の機会を活かし、自身のキャリアを築くための第一歩を踏み出してみてください。きっとあなたの未来の可能性を広げることにつながるでしよう。


Luong Thi Hai Yen