医療福祉学専攻
Major in Health and Welfare

医療福祉学専攻では、保健・医療・福祉の一貫性ある総合的ケアと、それを推進する総合社会政策の策定ができる人材養成を目指し、専門分野の枠を超えた、心身機能学、福祉人間工学、地域・国際保健福祉学の3つの研究領域を設け、保健・医療・福祉をめぐる複雑な環境の変化に対応できる高度専門職者を養成します。修了後の進路としては、大学などの教育期間、研究機関、医療機関、行政機関等に教員・研究者として従事されることが想定され、高度専門職者として各分野で活躍することが期待されます。
トピックス
タイ・マヒドン大学とのダブル・ディグリー・プログラム

ダブル・ディグリー・プログラムとは、本学に在籍しながら海外の協定校にも在籍し、双方の大学で学び、それぞれの修了要件を満たすことによって、それぞれの大学から学位が授与されるプログラムのことです。本学では、2021年に初めてタイのマヒドン大学と博士後期課程においてダブル・ディグリー・プログラムを締結しました。マヒドン大学はTHE世界大学ランキングでタイの最上位にランクされている名門大学です。ダブル・ディグリー・プログラムは本学のグローバル化はもちろん、本学の大学院生が国際的に活躍できる機会の増大にも寄与します。
The reason for applying to our double degree program

Pakwan Nualnim
I am a PhD student who want to pursue a degree where international experience is key. And that make me decide to apply for double degree program.
From my point of view, this program provides many beneficial. Firstly, I can gain more comprehensive knowledge of a specific subject from two different countries. Secondly, I can develop myself with a high-quality practice-oriented in teaching and research pathway. And lastly, I will be able to have a good connection and build a professional network with colleagues, professors and lecturers.
My research theme promotes the innovation development. The objective of this study is to conduct the 2D motion analysis for evaluating treatment in casting process with the scoliotic patient. It is an experimental study design which apply to the scoliosis patient. And it will be very useful to the patient who come to receive the treatment.
One of my goals is to continue in my career pathway as a lecturer. I would love to bring the new knowledge to apply in my teaching class. So that the students can learn to the fullest. In addition, as an expertise researcher, I am keen to develop the constructive information because the information in PO field is quite insufficient. And I believe that these will help to improve the quality of life of the disable people in the society.
FOCUS
在学生からのメッセージ

博士後期課程 医療福祉学専攻
大石美鈴
現代社会では高齢化や多様化する健康課題により、QOLの向上や健康寿命の延伸が重要視されています。その中で私は脳機能に着目した新たな健康支援の方法を構築し、持続可能な社会の実現に向けた力になりたいと思い博士後期課程への進学を決めました。 大学院では心身の状態が脳機能に与える影響について研究しています。特に不安などの精神状態やリラクゼーションが脳に及ぼす影響に注目し、その神経メカニズムの解明に取り組んでいます。
将来は大学の教員として教育と研究の両方で社会に貢献していきたいです。学生一人ひとりの成長に寄り添い、学ぶ楽しさや研究の面白さを伝えられるような教育者を目指しています。
本学は研究に集中できる環境が整っているだけでなく、先生方の手厚いサポートや多分野の仲間たちとの交流から多くの刺激を受けられる場所です。大学院では「やってみたい」という気持ちを大切に、自分の興味を深めながら成長することができます。大学院に興味がある方はぜひ一歩踏み出してみてください。
修了生からのメッセージ

博士後期課程 医療福祉学専攻
2024年度 修了
川上 沙輝
進学しようと思った動機・経緯
大学卒業後は、理学療法士として病院に勤務しました。臨床で関わる脳卒中患者の多くは高齢者であり、体力低下により積極的なリハビリテーションが行えないことが多くありました。脳卒中は、要介護状態へ至りやすい疾患であるため、運動機能を向上させる治療技術を解明したいと思い、大学院へ進学しました。修士課程1年目は、病院勤務しながら休日に大学で実験を行っていましたが、研究に費やす時間を増やしたいと思い、病院を退職し研究に取り組みました。
大学・大学院で学んでみて気づいたこと・発見したこと
学び続けることは、楽しいということを改めて感じることができました。病院でも学ぶことは多くありましたが、そこで生じた疑問を自分で解決するには研究を知ることが必要でした。研究活動を通して、多くのリサーチ力や発想力や実行能力、知識や技術が求められることは大変なこともありますが、学びに限界はなく日々進化していくことにワクワクしています。
大学・大学院での学びを通して得たもの
所属しているラボには、多くの教員、大学院生、学部生が在籍しており、専門性に富んだ教員の意見を取り入れることができます。ときに大学院生同士で励まし合い、切磋琢磨し研究活動に取り組んでいます。研究には実験を行う背景があり、研究の計画を立てます。そして、実験結果からなぜそのような結果になったのかを考察します。このような、一通りの過程を筋道立て、相手に納得してもらうために論理的思考が重要であることを学びました。
将来への展望
将来は、大学の教員になることが夢です。大学院は、新しい自分に出会える場所だと思います。大学・大学院を通して、同じ志を持つ仲間と出会いました。また、研究に励みながらも理学療法士を目指す学生に真摯に向き合う先生方にも出会いました。私も、研究者かつ教育者として社会に貢献できる人材になりたいです。


特色
心身機能学
心身機能を多角的に教育研究する医学・工学・スポーツにまたがる学際領域の問題点を扱います。運動・行動・感覚機能を生体力学的および電気生理学的手法により分析し、運動障害、認知症、失語・執行・失認等の高次脳機能障害に関する問題解決能力を培い、新たな治療法を開発するための基本的理論を研究します。
福祉人間工学
福祉向上に役立つ福祉用具・装具・義肢などをどのように人間に適合させるか科学的に検討し、より優れた福祉用具の開発やリハビリテーション手法、健康増進の向上をめざします。また、コンピュータを駆使した最新の身体動作分析の手法や人間工学的手法を活用します。
地域・国際保健福祉学
主に地域、国際レベルでの集団を対象とした健康や福祉の向上を目指し、各専門領域について学びます。専門領域は予防保健学、公衆衛生学、国際保健学、健康政策学、社会福祉学等が含まれます。研究手法はテーマにより自然科学から社会科学まで多様な手法を用います。
研究テーマ例
※テーマタイトルをクリックすると担当教員の教員紹介をご覧いただけます。
分野長メッセージ
児玉 直樹医療福祉学専攻長
大学院博士後期課程は、「博士」の学位を取得することと、その過程で研究者として必要な専門性と多様性を身に付けることが主な目的となります。つまり、「知のプロフェッショナル」への第一歩として、未だかつて解明されていないことや実現されていないことを研究し、学術論文として世界に発信することが求められます。
本学博士後期課程では、心身機能学、福祉人間工学、地域・国際保健福祉学といった3つの専門領域で意を同じくする研究集団の下、高度な専門知識を得られるだけでなく、問題解決に対する研究思考を身に付けることができます。また、研究活動を通した領域間交流も盛んにおこなわれていることから、ご自身とは異なる専門領域の考え方を融合しながら学際的に研究を進めることができます。
博士後期課程の研究活動では、研究計画立案や遂行によって「問題発見・解決能力」、得られた研究結果について議論・考察することによって「論理的思考力やディベート力」、研究成果を学術誌へ公表することによって「国際的な情報発信力や表現力」など、私たちがSociety 5.0時代を生き抜くために必要な力を身に付けることができます。医療DX、介護DXを推進し、研究成果を社会に還元していきましょう。
1)サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会。


Luong Thi Hai Yen