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2021年度 入学式式辞

2021年度 入学式式辞

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんを新たに新潟医療福祉大学に迎えることができ、教職員一同大変嬉しく思います。新型コロナウイルス感染症のため、本日ご臨席をいただくことは叶いませんでしたが、保護者の皆さまにも心からお祝いを申し上げます。
昨年は入学式を実施できませんでしたので、今年は各学科の学生代表に出席していただく入学式を中継する形で新たなオンライン入学式を計画してきました。しかしながら、3月末になって、在学生3名がPCR検査で陽性と判明したため、構内の安全が確認されるまで、一旦学生の皆さんの入構をストップしています。新たな入学式の開催も断念せざるを得なくなり、大変残念です。
 
2020年は新型コロナウイルスに翻弄された1年でした。2021年を迎えても、依然として感染は続き、次々と変異型が出現して新たな脅威となっています。しかし、国民の間では、「もううんざり」という「コロナ疲れ」や、「この程度なら大丈夫」という「コロナ慣れ」がみられる中で、緊急事態宣言が解除されたために、感染が再拡大して、今や第4波が危惧されています。感染対策の切り札とされる有効なワクチンの接種も、未だ一部の医療従事者にとどまり、集団免疫の獲得には程遠い状況です。
年明けからは、わが国でも新型コロナウイルス感染症による死者が急増しています。3月末日までの集計では、感染者472,325人中、死者は9,127人で、1.93%となりました。季節性インフルエンザによる年間感染者数は約1,000万人、直接の死者は3,000~4,000人とされていますので、死亡率は約0.04%です。ですから、「新型コロナはインフルエンザ並みだ」、「日本人は別なのだ」という考えは誤っています。徒に不安を煽る意図はありませんが、このウイルスを軽んじてはなりません。新型コロナウイルスが厄介である理由は、無症状の感染者からの感染が5割を超えており、発症者に対応するだけでは不十分なためです。皆さん一人一人が、自らが感染しないために、また、周囲に感染させないために、細心の感染防御対策を徹底していただく以外ないのです。
本学では、かねてから感染防御の基本として、
(1)会食・カラオケを回避すること、
(2)マスクを装着し、口・鼻に触れないこと、
(3)健康観察と行動記録を継続すること、
の3項目を徹底するようお願いしています。会食とカラオケは最も感染リスクが高い行動です。普段から同居している家族以外との会食は、ワクチン接種が終わるまで避けてください。マスクをつけて「静かな会食」をするのではなく、会食自体を回避してください。
また、新潟県は独自の「警報」を継続しています。新潟県内の感染状況はこれまでで最も危険なレベルにあることを理解してください。新潟県の警報の詳細は、ホームページに公開している学長メッセージで紹介していますので、改めて確認してください。
 
本学では、学内で感染クラスターを発生させないために対策を継続してきました。感染の恐れがある地域への移動は原則禁止ですが、新潟県内の感染も深刻な状況になっていますので、現在は新潟県外のみならず、新潟県内の移動も自粛を求めています。やむを得ず移動した場合は登校せず、自宅で健康観察を14日続ける「14日ルール」を適応します。学修や課外活動に支障がある場合には、PCR検査を受けて陰性であることを確かめてください。検査を受けることなく登校してはなりません。大学が必要と判断した検査の費用は、大学が負担します。学内には学生寮を筆頭に、感染が拡大しやすい場所がありますので、一人一人の慎重な行動が求められていることを理解してください。また、万一、検査で陽性と判定されても、皆さんのプライバシーは確実に守りますので、安心してください。
 
本学は新潟市北区島見町の地に、文字通り「ワンチーム」で成り立っている大学です。2001年に5学科、入学生321名からスタートして、開学20周年を迎える今年度は13学科で1,188名、大学院で58名を新たに迎え、総勢で4,500名を上回る規模に大きく発展してきました。現在、わが国は未曽有の少子・超高齢社会に直面していますが、その中でも健康の維持増進と健康寿命の延伸という目標を達成しなければなりません。本学はこのために欠くことのできない保健・医療・福祉・スポーツという分野に特化して、クライアントのQOLを支える多職種の優れた専門職を育成することを第一の目標としています。サッカー・アルビレックス新潟を応援するサポーターに倣って、「優れたQOLサポーターの育成」というスローガンを建学の精神として掲げているのです。ちなみに本学の第二の目標は、大学の使命として新潟市を始めとする地域社会に貢献すること、第三の目標は国際社会に貢献するために国際交流を推進することです。この目標ですでにおわかりのように、本学は明確な使命を帯びた大学であり、皆さんの将来には、明確な目標が設定されているのです。
このために、今日まず皆さんにお願いがあります。それは、各学科で設定されているDiploma Policy、略してDPを確かめることです。DPとは、学位授与のための修了要件や、卒業までにどのような能力を修得して欲しいかを示したものです。このDPを達成することを目的としてカリキュラムが構築されています。年度毎に、DPに対する達成度を評価し、皆さんと指導教員で共有して行きます。本学の学生・院生として、皆さんは常にこのことを念頭において学修に励んでください。
 
本学は以前から、「面倒見の良い大学」であると宣言してきました。本学での大学生活が実り多いものとなるよう、われわれ教員・職員は皆さんを全力でサポートします。4年間で資格を取得して、全員が就職するか、あるいは大学院に進み、より高い目標を掲げた専門職となっていただきます。「優れたQOLサポーター」となるためには、サポーターも自らのQOLを高めて行かねばなりません。本学学生・院生となった皆さんは、「優れたQOLサポーター」となることを目指し、併せて自らのQOLも高めてください。

2021年4月3日 新潟医療福祉大学学長 西澤正豊