“未来の自分”発見 就職に強い専門職ガイド ~保健・医療・福祉・スポーツのスペシャリストたちに学ぶ!~“未来の自分”発見 就職に強い専門職ガイド ~保健・医療・福祉・スポーツのスペシャリストたちに学ぶ!~

高齢社会の進展や健康増進に対する意識の高まりから
保健・医療・福祉・スポーツの専門職は、より一層注目を集めています。
卒業生や先輩たちの活躍する姿を通して、私たちの未来を支える注目の専門職をご紹介します。

理学療法士

Physical therapist

「良くなりたい」を間近で支える

私は現在、地元新潟の病院に所属しながら、神戸市立医療センター中央市民病院の2年間の研修制度を利用して、当病院の救急病棟やEICU(救命救急集中治療室)、CCU(冠疾患集中治療室)専従の理学療法士として、急性期のリハビリテーション業務に携わっています。
理学療法士として働く魅力は、患者様の「良くなりたい」という気持ちを間近で支えられることです。幅広い医学の知識をもとに、根拠に基づいた治療を提供していくことで、患者様が良くなっていく姿、治療を通して笑顔になる姿を間近で見ることができるのは、理学療法士の仕事ならではの醍醐味です。もちろん知識だけでは良い治療はできません。患者様一人ひとりと向き合い、気持ちに寄り添いながらリハビリを進めるためのコミュニケーションが必要なところにも、大きなやりがいを感じています。
今後も日々進化している理学療法分野において、最も効果的な治療法を患者様に提供できるよう絶えず勉強していきたいです。そして、将来は地元新潟のリハビリテーションに貢献していきたいと思います。

地方独立行政法人 神戸市民病院機構
神戸市立医療センター 中央市民病院
高橋 祐介さん
新潟県 新発田高校 出身

what job?

子どもから高齢者、プロスポーツ選手まで、基本的な動作機能の回復を支援する

どんな仕事?

歩く、立つ、座るなどの基本的な動作に障害を持った人に対して、歩行訓練などの「運動療法」、温熱療法などの「物理療法」などを通して、その基本的動作の機能を最大限に回復できるようにサポートする仕事です。

社会ニーズ

超高齢社会を迎えた現在、介護予防や健康増進における役割も拡大し、保健・福祉関連施設での求人も増加傾向にあります。また、スポーツ障害に対するリハビリテーションの重要性が認識され、アスリートをサポートする専門職として理学療法士への期待が高まっています。

作業療法士

Occupational therapist

二人三脚で「できること」を増やす

私は現在、一般病棟と外来のリハビリ患者様を担当し、怪我や病気によって低下した体の機能回復訓練や、着替えや食事、家事、職業訓練といった日常生活動作の練習を支援しています。また、患者様のご自宅にお伺いし、家の状況を確認しながら患者様に合わせた住宅改修や福祉機器のアドバイスも行っています。たとえ便利な福祉機器があっても、私たち作業療法士がその存在や使い方を知らなければ意味がありません。そのため、福祉機器に関する知識を深め、使う方々に合わせた提案ができるよう日々勉強に励んでいます。
仕事をする中で一番嬉しい瞬間は、患者様が元気になって退院していく姿を見送るときです。つらいリハビリも二人三脚で取り組んだこと、できることが増えるたびに一緒に喜んだことなど、患者様とのたくさんの思い出が思い起こされ、一緒に涙ぐむこともあります。そんなときは「この患者様と巡り合えて良かった」「作業療法士になって本当に良かった」と心から感じます。

新潟県立十日町病院
小林 将士さん
新潟県 巻高校 出身

what job?

趣味や遊びなどの“作業”を通して日常生活への復帰を支援する

どんな仕事?

身支度、家事、仕事、余暇など、人の日常生活に関わるすべての活動を「作業」と呼び、それが困難な人に対して、動作の訓練や手工芸などを通してリハビリを行い、スムーズに生活することができるよう調整する仕事です。

社会ニーズ

2025年には高齢化率が40%に達し、病院や福祉施設に加え在宅医療の現場でも作業療法士へのニーズが高まっています。高齢者が住み慣れた地域で自分らしい生活を継続できるよう、その役割はますます重要になっています。

言語聴覚士

Speech therapist

患者様の笑顔のために

私は、言語聴覚士として、失語症や吃音症などの言語障害や食物が飲み込みにくくなる嚥下障害、記憶力や注意力に困難が生じる高次脳機能障害や認知症など、様々な症状を抱えた患者様に携わっています。それらの症状について検査や情報収集を行い、必要な訓練やアドバイスを行うことで、それぞれの患者様が自分らしい生活を送れるよう支援しています。
一人の患者様が活き活きと生活していくためには、病院スタッフだけでなく、ご家族や職場、学校の先生など、様々な人たちとの協力や連携が不可欠ですが、言語聴覚士がその懸け橋となることで、より良い支援策を見出すことができると感じています。その結果、患者様やご家族の方の不安が和らぎ、笑顔を見ることができたときは、「頑張って良かった」と大きなやりがいを感じます。
これからも私自身がいつも笑顔で、そして苦しい時こそユーモアを持って、患者様やご家族の方に笑顔になってもらえるよう支援していきたいです。

独立行政法人国立病院機構
新潟病院
徳間 彩香さん
新潟県 柏崎高校 出身

what job?

話す、聞く、食べる、飲み込む、何気ない日常を支える

どんな仕事?

生まれつき障害を持った人、事故や病気などにより「話すこと」「聞くこと」に障害を持った人、のどの機能が弱って「食べること」に障害を持った人に対して、検査や訓練を通して、その回復をサポートする仕事です。

社会ニーズ

言語聴覚士の資格取得者は約2万5千人程(平成27年3月現在)。一方、ことばや聞こえ、食べることなどの障害により言語聴覚士の支援が必要な人は、約600万人程度いると言われ、病院等の医療機関を中心に人材が不足しています。

義肢装具士

Prosthetist and orthotist

一人ひとりに合わせた工夫を

私は、病院で医師の処方に基づき、患者様の症状に合わせた義肢・装具の製作を行っています。患者様の症例は多種多様なので、義肢や装具に求められるニーズも様々です。私は主に、体幹装具や子どもの短下肢装具の製作を行っていますが、子どもの装具を製作する場合は、プラスチックや皮の色をカラフルにしたり、ベルト部分に星形やハート形の型貫きをしたりするなど、少しでも喜んで装着してもらえるようデザインを工夫しています。また、脊椎が左右に湾曲してしまう側弯症という疾患に対する矯正装具の製作では、一人ひとりの身体に合わせたモデル修正が難しく時間もかかりますが、装具がしっかり機能しているところを見たときは、「やった!」と大きな達成感を感じます。
患者様には女性も多く、「女性の義肢装具士さんで良かった」という言葉をいただくこともあり、義肢装具士になって本当に良かったと感じています。これからも技術の向上はもちろん、新しい手技・製作方法などを積極的に取り入れ、患者様にとってより良いものを提供できるように努力し続けたいです。

株式会社 東北補装具製作所
阿部 汐里さん
山形県 鶴岡中央高校 出身

what job?

世界にひとつだけの義肢・装具で、未来への希望を提供する

どんな仕事?

事故や病気により手足を失った人に対して、その形態や機能を復元するために使用する「義手・義足」や、低下した身体機能を補うために装着するコルセットなどの「装具」を製作し、一人ひとりに適合させる仕事です。

社会ニーズ

高齢化に伴い装具や車いすなどの福祉用具を必要とする方が急増しています。一方、これらを専門に扱うことのできる国家資格である義肢装具士は、わずか4,700人程度(平成27年3月現在)しかおらず、そのニーズは拡大しています。

救急救命士

Emergency response personnel

自律性を持った救急救命士に

私は、これまで救急救命士として、様々な救急現場を経験してきました。救急救命士は病院に搬送するまで、つまり病院に運びこまれる前までが活躍の場になります。医師がいない、検査機器もないという厳しい状況下で、傷病者を観察・評価し、適切な処置を行わなければいけません。そして、病態に適した病院を選定し、受け入れてもらうための根拠ある情報伝達を行い、一刻も早く搬送しなくてはなりません。容態は刻一刻と変化しますから、搬送中の傷病者管理も必要です。このようなことを行う医療職は、医師以外では救急救命士だけです。だからこそ、自分が見立てた病態が適切で、傷病者の生命が救えた時は最高の達成感を感じます。
今後は、大学の教員という立場から「自律性を持った救急救命士」を育てることが目標です。知識も技術も身につけるのは自分自身であり、誰かが身につけさせてくれるものではありません。現場では医療における責任者となるわけですから、誰も助けてはくれません。自律性があるかないか、このことが傷病者の生命に直結する職業であることを伝えていきたいです。

新潟医療福祉大学
新学科開設準備室
副室長/講師
山内 一

what job?

一刻一秒を争う救急現場の最前線で“人の生命”を救う

どんな仕事?

病院への搬送中の傷病者の救命率を高めるために、応急処置に加え、医師の指示のもと、心肺停止時の電気ショックや気管挿管、点滴処置、薬剤投与などの高度な救命処置を行い、人の命を救う仕事です。

社会ニーズ

超高齢化の進展に伴う急病者の増加などを背景に、救急出動件数は2015年までの10年間で約80万件も増加し、今後更に増えることが予想されています。こうした状況を受け、高度な救急救命処置を行うことができる救急救命士へニーズはますます拡大しています。

管理栄養士

National registered dietitian

「ありがとう」の一言が原動力

私は現在、病院で管理栄養士として働いています。担当する脳外科・神経内科では、摂食・嚥下機能に障害を抱える患者様の経管栄養や嚥下食について、医師や看護師、言語聴覚士と相談しながら栄養剤の選定や注入方法、食形態の調整をしています。
日々の業務の中で一番意識していることは、自分が提供する食事や栄養指導に対して「責任を持つ」ことです。ただ単に食事提供や栄養指導をするのではなく、「この患者様に適した栄養療法は何か」、「なぜこの食事や栄養管理が必要なのか」を患者様や他の専門職者に対してしっかりと伝えることを心掛けています。
入職当時、私が初めて本格的な栄養介入をした慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者様がいました。体重減少や嚥下機能低下が著しい方でしたが、栄養介入後、体重増加や嚥下機能の回復など、目に見える改善がありました。久しぶりにお会いしたご家族がご本人の姿を見て、涙を流し喜ばれていた姿と「ありがとうございます」という一言は、今も仕事をする上で大切な原動力となっています。

新潟厚生農業協同組合連合会
長岡中央綜合病院
髙橋 洋平さん
新潟県 三条東高校 出身

what job?

食や栄養を通して人々の健康をサポートする

どんな仕事?

病院、福祉施設、行政機関、学校などに勤務し、患者様への栄養管理や栄養指導、給食の管理、生徒・児童への食育、地域の食環境づくりなど、栄養や食事を通して人々の健康をサポートする仕事です。

社会ニーズ

高齢化社会の進展や健康に対する意識の高まりにより、病院などの医療機関や福祉施設での栄養指導、学校での食育など、全ての人々の健康の保持増進、疾病の予防や治療に関わる管理栄養士の活躍の場は多岐にわたっており、そのニーズはますます高まっています。

健康運動指導士

Health movement educator

より多くの人に運動の楽しさを

私は現在、体育館で健康運動指導士として働いています。トレーニングマシンの使用方法の指導やマシンのメンテナンス、窓口対応などの日常業務を行うほか、運動教室での指導を担当しています。体育館には子どもから高齢者まで様々な方が来館されますが、すべてのお客様が気持ちよく利用していただけるよう、常に笑顔での対応を心掛けています。
運動教室では、お客様に満足していただくためのプログラム作成に力を入れています。継続して参加していただけるよう毎回違うプログラムを用意したり、運動が「つらい」ものから「楽しい」ものへと変わるようにプログラムを工夫したりしています。思い通りに教室運営ができず悩むこともありますが、お客様から「体脂肪が減った」「身体が疲れにくくなった」など、運動の成果や喜びの声を聞けた時は、本当に嬉しくなります。
今後は、もっと密にお客様とコミュニケーションを図り、すべての人に楽しく運動してもらえるような教室運営を目指します。そして、より多くの方に運動の“楽しさ”“大切さ”を伝えていきたいです。

長岡市みしま体育館
佐藤 彩さん
新潟県 分水高校 出身

what job?

一人ひとりに合った効果的な運動指導で、地域の人々の健康に貢献する

どんな仕事?

保健・医療関係者と連携し、安全で効果的な運動を実施するための運動プログラム作成や実践指導計画の調整などを行い、地域住民の生活習慣病の予防や健康水準の保持・増進に貢献する仕事です。

社会ニーズ

医療費抑制のために政府は国を挙げて「健康づくり」に取り組む方針を打ち出しています。健康運動指導士は、生活習慣病予防や健康の維持・増進を支援する専門家として、医療機関や健康増進施設をはじめ、近年では介護施設での需要も高まり、社会的な関心と期待がますます高まっています。

看護師

Nurse

what job?

医師よりも近い存在として、医療補助や心身のケアを行う

どんな仕事?

検温や血圧測定といった患者様の健康状態を知るために必要な業務や、医師の指示のもと注射・点滴などの治療補助を行うほか、食事や入浴、ベッドメイキングなど入院中の身の回りのお世話をする仕事です。

社会ニーズ

近年、看護師は「チーム医療」の要として重要な役割を果たしています。そのため、より専門的な知識や技術が求められ、4年制大学を卒業した看護師へのニーズが高まっています。また、高齢化に伴い、医療機関にだけでなく福祉施設や訪問看護など、活躍の場はますます広がっています。

社会福祉士

Certified social worker

一人ひとりのより良い生活を考える

私は、医療ソーシャルワーカーとして、患者様に対して介護保険や身体障害者手帳の利用についての相談や、退院後に利用する福祉制度についての相談・アドバイス、またそれに伴う他職種との連携・調整などを行っています。
医療ソーシャルワーカーは、患者様の入院中や退院後の不安や悩みを受け止める窓口としての役割を果たしています。医師や看護師、理学療法士、作業療法士、ケアマネージャーなど、院内外の様々な専門職者と連携を取りながら情報収集をし、患者様やご家族の不安を少しでも取り除けるよう相談に応じています。直接治療や検査に携わることはありませんが、患者様に名前を憶えていただき、「いつもありがとう」と声を掛けていただくこともあり、そのときは頼りにされていることを実感してとても嬉しくなります。
患者様やご家族の方が抱える問題は様々ですが、患者様にとってこれからのより良い生活を考え、その状況、状態にあった相談・アドバイスをしていきたいです。

社会医療法人仁愛会
新潟中央病院
加藤 竜太さん
新潟県 新津高校 出身

what job?

福祉に関する相談に応じて、助言や指導を行う

どんな仕事?

病院や高齢者福祉施設、学校、行政機関などで、身体や精神の障害、または環境上の理由により日常生活を送ることに困っている人に対して、保健・医療・福祉に関する様々な相談に応じ、必要な助言や指導を行う仕事です。

社会ニーズ

高齢社会の進展により、様々な福祉サービスを必要としている人が増加しており、活躍の場が広がっています。また、「医療ソーシャルワーカー」や「スクールソーシャルワーカー」など、病院や学校現場でのニーズも高まっています。

診療情報管理士

Health information manager

見えないところで医療を支える

私は現在、診療情報管理士として、患者様のカルテの内容を確認して病名や手術名を正しく入力しコーディング(分類)をする業務や、医師がカルテに記入した内容が正しいか、必要な情報が揃っているかを確認するカルテの監査業務などを行っています。
病院は病気を治すだけでなく、より良い医療を提供し続けるための健全な病院経営を行うことや、患者様に信頼されるために医療の質を向上させることも大切な役割です。そのため、カルテから新たな情報を生み出し、病院経営や質の高い医療に貢献できることにやりがいを感じています。見えないところで患者様を支えるとてもやりがいのある仕事です。

新潟市民病院
東都 恵介さん
新潟県 新発田商業高校出身

what job?

大切な診療記録を管理し、医療の質の向上に貢献する

どんな仕事?

医学と情報処理の知識をベースに、患者さんの「カルテ」の情報を専門的に扱い、データチェックや病名の分類作業・入力などを行います。「チーム医療」の中での情報共有において要となるお仕事です。

社会ニーズ

医療サービスの効率化や質の向上に向け、国は“電子カルテ”を代表とする「医療のIT化」を強く推進しています。こうした中、医療とITの知識・技術を兼ね備えた「診療情報管理士」は高い注目を集め、医療機関を中心にそのニーズが拡大しています。