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医療技術学部

Department of Orthoptics and Visual Sciences

  • 学生の在籍学年は2023年度在籍時のものです。

生方ゼミ

視能訓練士教育の質向上に関する研究

生方 北斗 Hokuto Ubukata 助教

眼科医療技術の急速な発展に伴い、視能訓練士教育も時代に合わせたスタイルに変化すべきです。しかし、眼科検査・訓練に関する学生教育に関連した研究は多くありません。そこで私は、視能訓練士教育における眼科検査技術を定量的に「見える化」する研究を行っています。全手動で視野を測る検者のスキルを、検査プロセスから検査結果の検出に至るまで数値化する「Goldmann視野計検査における検者の技能評価」では、スキルを評価するための専用システムを導入しました。眼科検査・訓練のスキルに対する客観的な評価は、教える側と教えられる側、双方の利益につながると期待しています。

視野検査の技量測定を行う場合、これまでは検査者の隣で別の測定者が主観的に評価す手法が中心でした。生方ゼミでは、この視野検査における測定者の技能を数値化、客観化することを目指します。視野検査の測定スキルを可視化する研究によって「できた」「できない」の抽象的な評価では気づけなかった部分も具体化されます。こうした客観的な評価は、測定者の技能・精度の向上、視野異常の早期発見にもつながると考えます。

視機能科学科3年 横山 円香 新潟県立長岡向陵高等学校

多々良ゼミ

スポーツ選手の眼球運動分析に関する研究

多々良 俊哉 Shunya Tatara 助教

ヒトが対象物を見るためには、眼球の中心窩という部分でモノを捉える眼球運動が重要です。そこで私は「スポーツ選手の眼球運動が正確なのか」という疑問に対し、視線解析を用いた装置を活用して研究しています。スポーツと視覚の関係については評価法や効果判定が統一されておらず、曖昧な評価が多いのが現状です。まずは、スポーツと視機能の関係の科学的な分析を目指し、将来的には、アスリートのパフォーマンス向上につなげていきたいと考えています。本学科には、最新の眼科医療機器が整備され、視線解析を応用した研究機器も導入されています。研究を進めるのにこれ以上の環境はありません。

ゆっくり動く視標を追視する際は滑動性追従運動、すばやく動く視標を追視する際は衝動性眼球運動が起こります。滑動性追従運動はスポーツ選手と非選手でほとんど差はありません。しかし近年、衝動性眼球運動には差がありそうだとわかってきました。そうしたスポーツ選手の視機能分析に興味があり、現在はスポーツ選手と非選手の視機能の違いを研究しています。この研究がスポーツ選手のパフォーマンス向上に少しでも役立てばと願っています。

視機能科学科3年 長谷川 玲奈 新潟県立長岡向陵高等学校

<ゼミの研究内容例>

村田ゼミ

視線解析装置を用いた乳幼児視力自動測定装置の開発に関する研究

村田 憲章 Noriaki Murata 准教授

視力測定はランドルト環を用いるのが一般的ですが、言葉を話せない乳幼児の視力は縞模様を用いて測定します。子どもは均質な灰色の面よりも縞模様を好むため、縞の細さを変化させることによって段階的な視力の数値が得られます。私たちのグループでは、視能訓練士が下すその乳幼児視力の判定を視線解析装置により自動化し、より客観的に視力測定できる装置の開発を目指しています。乳幼児用の自動視力計測システムが実現すれば、三歳児健診での弱視発見率の向上に大きく寄与します。弱視は早期発見が重要です。この研究が、子どもたちの未来を守ることにつながると信じています。

「Teller Acuity Card(TAC)」を用いた乳幼児の視力検査は、有効性が高いといわれる一方、検者の主観的な判断が介入するため不完全だという指摘もあります。弱視に対する取り組みとして行われる三歳児検診も、自治体によって微妙に違いがあるのが現状です。そこで私たちは、TACと視線解析装置を組み合わせて、小児の視力検査を迅速かつ客観的に評価する研究を行っています。視力スクリーニングが可能なこの装置を検診に導入できれば、弱視の早期発見につながるはずです。

視機能科学科3年 髙木 万生 長野県篠ノ井高等学校

前田ゼミ

瞳孔による視機能の客観評価に関する研究

前田 史篤 Fumiatsu Maeda 教授

黒目(瞳孔)の大きさは眼の中に入る光の量に応じて変化し、明るいところでは小さく、暗いところでは大きくなります。その反応を利用して、光の量をコントロールしながら瞳孔の動きを詳しく分析することで、眼が正常に機能しているか判定することができます。「眼は口ほどにものを言う」と言いますが、この技術を検査に応用できれば、将来的には瞳孔を検査するだけで病気の有無を調べることができるようになるかもしれません。本ゼミでは、ドイツや国内の大学と共同研究を進めながら、眼の病気の早期発見ができるような機器の開発を目指しています。

<ゼミの研究内容例>

戸田ゼミ

表情が検査結果に及ぼす影響に関する研究

戸田 春男 Haruo Toda 教授

視能訓練士は、正しい検査結果を得るため、眼科検査を受ける患者様にいくつかの「決まり」を守ってもらうよう声をかけます。例えば「目をしっかり開けてください」「顔の力を抜いてください」などです。これは単なる「視能訓練士が覚えなければならないお約束」ではなく、背景に生理学的な基盤があるはずです。本ゼミでは、基本的な眼科の検査を行いながら顔の表情や目の開き方を実際に撮影し、ゼミ担当が自作した画像処理アプリケーションを使って定量化します。得られたデータと、検査結果とを照らし合わせて、座学や実習で学ぶ声かけの重要性を定量的なデータとして示すことを目指します。

<ゼミの研究内容例>

増田ゼミ

認知機能や認知症の症状に関する研究

増田 修 Osamu Masuda 教授

本ゼミでは、視覚の基礎的なメカニズムを解明することを目的として、色覚をはじめ、錯視や質感知覚、眼光学などに関する研究をしています。私たちの身の回りには、様々な光と色があふれています。色は、物理現象としての光の性質と、人間の感覚、生理、心理が構成するものであり、様々な不思議な現象が起こります。例えば、健常者であっても、見えている現象が実際の外界とは食い違う「錯視」という不思議な経験をすることがあります。これは、人間の眼と脳の仕組みが、カメラとコンピュータの仕組みとは違うことを示唆しています。このように、眼と脳の仕組みの奥深くを知る研究に取り組んでいます。

<ゼミの研究内容例>

金子ゼミ

快適な眼鏡・脳にかける眼鏡に関する研究

金子 弘 Hiroshi Kaneko 教授

眼鏡は、レンズが1枚だけの簡単な道具のように見えますが、その働きは実に奥深く、単に視力が良くなるだけでなく、仕事の能率アップやストレスの解消、脳を活性化して若さの保持やボケ防止に役立つなど、多くの素晴らしい効果があることが分かっています。本ゼミでは、一人ひとりの装用者にとって快適な眼鏡とは何かを探るとともに、眼鏡作製のポイントとなるレンズ度数や装用感の評価に関して、脳が喜ぶ合理的で客観的な手法の研究を行っています。このテーマは、今後のデジタル社会や高齢社会を元気に生き抜き、健康寿命を延ばすことに貢献できるのではないかと期待されます。

<ゼミの研究内容例>