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保健学専攻言語聴覚学分野
高度専門職を育成し、社会に貢献

言語聴覚学は、言語・聴覚系の構造・機能・病態に関する実験研究と、臨床研究を行うことに加え、学術的・臨床的に近縁にある摂食・嚥下機能そして高次脳機能に関する原理を明らかにすることにより、それらの障害や機序、評価・訓練・治療方法を総合的に探究する学際的な分野です。

言語聴覚学分野では、このように互いに関連する多様な障害の構造を解明することによって、言語、聴覚、摂食嚥下機能そして認知機能などに障害を持つ人々のQOL向上を目的として、有効な治療や支援を的確に実践できる人材を育成します。

トピックス
発展途上国における補聴器装用効果評価の試み-JICA活動を通じて-

写真提供:今村健志朗/JICA

本学大学院には国際協力機構(JICA)との連携プログラムがあります。この制度を利用して、言語聴覚学分野に初めてアフリカの聴覚障害支援学校に派遣されている青年海外協力隊員が入学しました。日本では当たり前となっている制度や検査方法が確立されていないため、支援内容を理解してもらうための努力と教育システムの構築が必要となっています。

まず手始めには海外から寄付された補聴器の管理、対象児の聴力レベルの把握、補聴器装用指導を行いますが、その前に養育者に対して補聴器の必要性や教育の必要性を説明しなければなりません。現地にいるオーストラリア国のオージオロジストと協力をしながら、測定機器が不十分な状況で、聴覚関係の機器をできるだけ使用せずに適正な装用閾値を推定する方法、補聴器の効果を客観的に提示できるように現地語による語音聴力検査の開発などを計画しています。教育に対する国民の理解が不十分な中で補聴器装用がもたらす教育の効果、派遣国に客観的な語音聴取能力の評価方法を定着させるために、インターネットを利用して本学教員の指導のもとに現地で調査を行った後、帰国して研究を継続しています。

特色
専門的知識と応用力を備えた人材の育成 言語聴覚学分野では基礎的、臨床的さらには実践的な研究を推進し、学問体系の確立を図ることはもちろん、高度専門職業人として社会のニーズにこたえられる、より深い知識と応用力を備えた人材の育成を教育目標としています。
大学院ならではの施設・設備 言語聴覚学分野大学院生室は第1研究棟の1階にあり、言語聴覚学科教員はもちろん各分野の専門教員からも気軽に話を聴くことができます。院生専用のパソコンも設置されています。実験実習棟の音声・音響学実習室には音声音響分析の機器、言語実習関係では各種検査機器や器具、聴覚実習室や防音室には聴力検査機器や補聴器関係・人工内耳関係の設備がそろっています。
臨床に根ざした視野の広い研究の実践 言語聴覚学分野は、臨床に根ざした幅広い領域にテーマを求めて研究に取り組んでいます。研究は言語と聴覚の障害および機能障害の評価と訓練のみに限定されません。例えば、MMSEの記憶課題を改良して臨床により有用な評価指標を作成した一連の研究(伊藤ら、2005など)、アルツハイマー病患者の遂行機能障害がセルフケアに与える影響を分析した一連の研究( 舘川ら、2008など)、等です。
修了後の進路・目指す将来像
  • 医療施設(病院、リハビリテーションセンター等)言語聴覚士
  • 保健施設(介護老人保健施設、デイケアセンター等)言語聴覚士
  • 福祉施設(特別養護老人ホーム、デイサービスセンター等)言語聴覚士
  • 大学教員
  • 言語聴覚士養成機関教員
  • 教育機関(小中学校、特別支援学校等)教員
  • 博士後期課程進学

分野長メッセージ

専門的知識を追求し科学的根拠を探究する学問の楽しさを

山岸 達弥言語聴覚学分野長

言語聴覚分野は乳幼児から高齢者までさまざまな方々の高次脳機能に深くかかわっていて、いまだ解明されてないことも数多い発展途上の分野です。日常の臨床において多種多様な患者さんに接し、その原因の解明や解決のために日々新たなる挑戦が続いていると思いますが、その一方で、学部レベルの知識だけでは「どうして?」と首をかしげることも多いのではないかと思います。

大学院の研究では、専門的知識を整理した上で、新しい視点から学問的に深め、思考し、実践し、考察し、さらに、解明や検証などを通して、自分の考えを確信へとつなげていきます。幅広く「学問する楽しさ」を充分満足させてくれることと思います。大学院では言語聴覚分野の専門性を生かした多数の教員で構成されていますので、多様なニーズに対して指導を受けることが可能です。より高度な専門的知識を追求し研究して、学問する楽しさを味わってみたいという方をお待ちしています。