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医療技術学部

Department of Clinical Engineering and Medical Technology

  • 学生の在籍学年は2023年度在籍時のものです。

涌井ゼミ

私たちの身近に潜み、生息している微生物のプロファイリングに関する研究

涌井 杏奈 Anna Wakui 助教

私たちの身近に存在している手洗い前後の皮膚の細菌叢、スマートフォンや不織布マスクに付着する微生物について、プロファイリングを行っています。生活に関係する身近な微生物の研究は、その量に着目した研究は多くあるものの、構成まで詳細に研究している例は多くありません。本ゼミでは、微生物の量のみならず微生物構成の網羅的な解析方法を確立し、実践しています。この研究は、医療現場のみならず、日常生活にも大きな影響を与えうる因子となります。ここに踏み込むことで、生活の質の向上を目指すのみならず、社会的事象をより広く、深く、一般性を持って考察する習慣を身につけることができます。

このゼミでは、私たちの身近に潜む微生物の研究を行っています。スマートフォンや不織布マスクに付着する微生物の量、その構成に着目し、電気泳動法を用いた解析方法を実践しています。本格的な研究はこれからですが、普段の実習のように正解がなく、自分の手技で得られた結果がすべてです。手順通りに実験を進められたか、誤った操作はなかったかなど、自分の手技を改めて見つめ直す良い機会になると思っています。

臨床技術学科3年 遠藤 杏子 福島県県立葵高等学校

増子ゼミ

消化器内視鏡スコープの清浄度評価に関する研究

増子 弘明 Hiroaki Mashiko 助教

内視鏡機器の急速な進歩により、超音波を発する内視鏡や電気メスと連動した内視鏡治療などが登場しています。そのため、医療現場では、より専門的な知識を有した臨床検査と技師・臨床工学技士が求められています。本ゼミでは、臨床検査技師の微生物学的検査の知識と臨床工学技士の医療機器に関する知識を組み合わせた研究を行います。さらに比較的新しい分野である内視鏡領域でもダブルライセンスの知識を融合した研究を行っているのは、日本国内で本ゼミだけです。実際の機器に触れながら研究を進めることで、内視鏡関連の専門知識を習得した、現場のニーズに即した人材の輩出が可能となります。

医療機器に関する臨床現場での課題について興味があり、内視鏡スコープに着目して卒業研究を行っています。モニター上で体液に見立てたグリセリン水を吸引し、量や濃度、処置具の有無などの条件を変えて吸引時間や速度を計測し、内径の違いによる吸引速度を算出します。病院で実際に使用されている医療機器を研究することで、機器の詳細やよくわかり、機器を用いる検査や治療の理解まで知識を深めることができました。

臨床技術学科3年 太田 梨里 富山県立高岡南高等学校

横山ゼミ

尿中剥離細胞における免疫組織学的手法を用いた各種腎・尿路疾患の病態解明に関する研究

横山 貴 Takashi Yokoyama 教授

2021年の日本の透析患者数は336,179人、新規導入患者数は37,961人であり、その医療費は年間16,000億円、合併症も含めると約2兆円にのぼります。本ゼミでは、患者様に早期に介入し診断・治療を行うことで医療費の削減を行うことを主軸として研究を進めています。尿沈渣検査で尿中に剥離した特異的な細胞に対する抗体を用いて効率的に細胞および細胞の特性を捉え、各種腎・尿路疾患の病態を解明する新たな検査アプローチの開発も目指しています。この研究を通じて、腎・泌尿器疾患で悩む患者様に対して、安価で迅速、かつ質の高い医療技術を提供できるようになると期待しています。

臨床検査技師が行う尿検査の鑑別は、観察者によって個人差があり主観が入ってしまうことが問題視されています。そこで私は、検査対象物の色調や凹凸をデジタルイメージングソフトウェアによる数値化で個々の鑑別基準値を設定し、客観的な鑑別と評価ができる新たな検査アプローチ法を研究しています。この研究の魅力は患者さんに負担をかけずに採取できる検体を用いて、健康状態を評価することができる点です。

臨床技術学科3年 坪谷 茉南 新潟県 三条高等学校

藤井ゼミ

体外循環中の生体反応に関する研究

藤井 豊 Yutaka Fujii 准教授

心臓血管手術を受ける患者様や肺機能が低下した患者様は、自身の心臓で血液の循環および肺での酸素化が維持できません。その際に、人工心肺や補助循環と呼ばれる体外循環が使用されます。体外循環は、循環器や呼吸器分野で多く使用され、日本では約5万症例、世界に目を向けると約130万症例が行われており、なくてはならない医療技術です。しかし、一方で様々な合併症を引き起こすことが知られています。本ゼミでは、体外循環中の生体反応のメカニズムの解明や生体適合性が高い機器の開発を行い、より良い体外循環法を提供するための研究を行っています。

<ゼミの研究内容例>

齋藤ゼミ

病理検査の標準化とリスク軽減に関する研究

齋藤 大造 Daizo Saito 准教授

病理検査は、病気の診断や原因の究明を目的として、手術または内視鏡検査などで採取された臓器、生検組織、体腔液、尿、喀痰などから標本を作製し、染色を施した後に顕微鏡を用いて診断を行います。本ゼミでは、組織染色標本の標準化と病理標本作製工程でのリスクの軽減を目標とした研究を行っています。H・E染色標本は病理診断において最も一般的で、その染色方法は各施設により手技が異なります。また、染色態度の評価も鏡検による人の視覚に頼ることから標準化が難しいと思われています。人が目で感じるのと同じように色を数値で表す分光測色計を利用して組織染色標本の標準化に繋がらないか考えています。

<ゼミの研究内容例>

阿部ゼミ

超音波診断用造影剤の適応拡大に関する研究

阿部 拓也 Takuya Abe 助教

『消化器がんをなくしたい!』という究極の目的を遂行するため、新しい予防・検査・治療の3本柱を確立する研究をしています。具体的には、小動物に薬剤や造影剤を投与し、その生体反応をリアルタイムPCR法で評価する実験をメインで行っています。また、私自身、臨床技術学科でダブルライセンスを取得しています。ダブルライセンスを活かし、臨床工学系教員とチームを組み、医療機器デバイス使用下での生体反応をリアルタイムPCR法で評価しています。ダブルライセンスを持つことで、幅の広い実験・評価法に着手することができます。自分の疑問を自分の手で実験し、結果を出す研究の楽しさを感じてもらえるよう指導しています。

<ゼミの研究内容例>

丸野ゼミ

医用センシング技術の高機能化に関する研究

丸野 透 Tohru Maruno 教授

IoT(モノのインターネット)で生体の情報を集めAI(人工知能)で解析して体調管理や病気の予防、治療、予後管理に役立てる手法が、医療やヘルスケアの現場に導入され始めています。体調に関するデータは、継続的に追跡しデジタル化することで遠隔診断が可能になるなど利用価値が飛躍的に向上します。本ゼミでは、被験者の負担が少ない測定を可能にする新しいセンシング技術と、集めた大規模データの効果的な解析手法の研究に取り組んでいます。新項目も取り入れた多項目のデータを継続的かつ系統的に追跡することで体調変化を判断し異変を予測・予防することに役立てたいと考えています。

<ゼミの研究内容例>

川村ゼミ

人体の病原体排除のメカニズムに関する研究

川村 宏樹 Hiroki Kawamura 教授

私は、臨床検査の中で、「人間の体が自分でない物(病原体など)を排除する」メカニズムである“免疫”という分野を担当しています。研究は、この“免疫”のメカニズムに重要な認識機構と影響を与える因子、検査法の改良を目的として行っています。一般的に研究の魅力は、未だ誰も見つけていない現象を発見することと言われがちですが、私は、研究の先にある自分の論文が他の研究者の参考となった時に「貢献できて良かった」と思うことに魅力を感じます。研究は、同じ分野を研究している他大学とも連携しながら進め、今後もさらなる発展を目指していきます。

<ゼミの研究内容例>

佐々木ゼミ

維持血液透析患者におけるVAに関する研究

佐々木 一真 Kazuma Sasaki 講師

血液透析を必要とする患者さんは年々増加しており、日本ではその数約34万人となっています。血液透析ではバスキュラーアクセス(VA)と呼ばれる血液の出入口となるものが必要になりますが、このVA管理や機能維持は、透析治療を行っていくうえで必要不可欠です。そこで本ゼミでは、透析患者さんにとって命綱となるVAに対して、非侵襲的に管理・機能評価を定量的かつ客観的に行う方法についての研究を進めています。また、近年の医療技術の発達に伴って透析患者さんの寿命も延びてきていますので、将来的には、治療が必要な透析患者の早期発見や、それを判断する医療従事者にも貢献したいと考えています。

<ゼミの研究内容例>

髙野ゼミ

感染制御学に関する研究

髙野 操 Misao Takano 教授

病院内で発生する感染症は、医療関連感染症または院内感染症と呼ばれ、治療や手術、医療器材、検査、機器、環境、ヒトなど様々な要因が感染源になります。病院内では医療関連感染を予防するために、微生物学担当の臨床検査技師は医師や看護師とともに感染対策チームを構成し活動しています。本ゼミでは、将来の臨床検査技師が医療関連感染症を減らす貢献をするために、病院環境や医療器具からの感染メカニズムについて研究しています。また、細菌層のバイオフィルムに着目して、生育環境や抵抗性、殺菌等の影響を実験しています。研究を通して、医療関連感染の予防に興味を持つ学生が増えると嬉しいです。

<ゼミの研究内容例>

小野ゼミ

体外循環に関する研究

小野 等 Hitoshi Ono 講師

心臓血管手術に使用される人工心肺(体外循環)装置には、血液を体に循環させ生命維持するための送血カニューレ(チューブ)と脱血カニューレが必要です。私は、主に送血カニューレの血流に関して研究しています。この送血カニューレは先端が細く、その細い所から患者様の体に血液を1分間に約4~5リットルも流します。本ゼミでは、送血カニューレの先端から流れ出るジェット流が大動脈に与える影響や、様々な人工物を使用した場合のそれらが与える影響を可視化したり、人工心肺で使用する部品などを調べたりすることで、より良い体外循環に繋がるよう研究しています。

<ゼミの研究内容例>

森田ゼミ

血液中のがん診断マーカーに関する研究

森田 邦恵 Kunie Morita 講師

血液中にはエクソソームという小胞が存在していますが、その中に存在する特有な遺伝子を検出して、がんの早期発見に役立てようという研究が注目されています。本ゼミでは、最近開発された血液中のエクソソームからRNA(核酸の一種)を検出する試薬の評価を行っています。この試薬はまだ開発されたばかりなので、病院では一般的に使用されていませんが、将来がんの発見に利用されると考えられています。いずれは、がんの患者様の診断ができるような遺伝子を見つけるための研究に繋げて行くことができる、がんの早期発見に結び付く、やりがいのある研究です。

<ゼミの研究内容例>

大山ゼミ

手の機能に関する研究

大山 富三 Tomizo Ohyama 講師

血液検査学は、貧血・白血病・血友病などに代表される血液疾患の診断、治療効果、経過観察などに欠かせない学問です。また、感染症、悪性腫瘍、肝臓・腎臓などの各種臓器疾患などの検査としても有用です。そのため、血液検査は日常の診療行為に欠かすことのできない基本的な検査です。現在は、自動分析装置を用いた検査が主流ですが、正確な結果を出すためには様々な注意すべきことがあり、誤った結果を出すと誤診を招いたり治療に支障が出たりします。そこで本ゼミでは、正確な結果を出すためにはどうすべきか、誤った測定をするとどのような結果をもたらすかなどを研究テーマにしています。

<ゼミの研究内容例>

髙橋ゼミ

命を守る最新医療機器に関する研究

髙橋 良光 Yoshimitsu Takahashi 准教授

近年、医療の進歩による医療機器の高度化に伴い、最新の医療機器を安全で的確に操作することのできる臨床工学技士が求められています。臨床工学技士は「人工透析装置」や「人工呼吸器」といった生命維持装置の操作・点検を行います。その中で本ゼミでは、透析治療を行う際に使用する「針の形状」を研究し、患者様にとってできるだけ痛みを伴わない治療方法を確立するために研究を進めています。また、「人工呼吸器」が与える肺への影響を研究することを目的に、豚の肺を使用し設定条件を変化させながら観察・評価しています。患者様の役に立つ研究を、楽しみながら一緒にしてみませんか?

<ゼミの研究内容例>

渡邊ゼミ

超音波画像診断に関する研究

渡邊 博昭 Hiroaki Watanabe 教授

超音波画像診断は、身体に痛みを伴わない非侵襲検査として広く普及しています。検査によって、腹部の疾患を発見することや心臓の大きさや動きを見たりします。しかし、一方で診断装置の適切な設定を怠った場合、あるいは不十分な手技などによって疾患の発見率が低下する恐れがあります。本ゼミでは、医療安全の観点から、患者様に不安を与えない検査の進め方や疾患を見落とさず適切な診断に結びつけるための研究を行っています。また、現在は臨床検査技師が超音波画像診断に携わる機会が多くなっているため、研究を通してゼミ生に検査手技の指導も行っています。