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チーム医療とは

チーム医療とは?

保健・医療・福祉・スポーツの現場では、対象者一人ひとりに合わせた質の高いサービスを提供するために、様々な専門職が一つのチームを形成し、連携・協働しながら治療やケアを行います。多職種間で連携をすることで、各専門職による支援に加え、それぞれの専門性や視点を取り入れた包括的なプランに基づく支援が可能となり、患者や対象者一人ひとりの希望に沿った、きめ細かい治療やケアを実践することができます。

なぜ、今チーム医療が必要不可欠なのか?

超高齢社会のなかで
豊かな人生を支えるため

未曽有の少子・超高齢社会を迎えるなかで、健康の維持・増進、健康寿命延伸のためには、多面的なサポートが必要です。医療方針を一人の医師に任せるのではなく、看護師やリハビリ専門職、管理栄養士、ソーシャルワーカーなど複数の専門家との連携・情報共有により、医療の質の向上、患者さんの生活の質の向上が見込めます。

医療の高度化に対応し
より良い治療とケアをするため

医療は研究や技術開発により日々進化し続け、各専門職の役割も高度化・細分化されています。また、時代変化に伴い患者さんのニーズも複雑化しています。そのため、他の職種の専門性を理解・連携し合うチームで行う医療こそが、患者さんやその家族にとってのより良い治療とケアに繋がっていきます。

患者さんごとに寄り添った
医療を提供するため

人にとって“病”と“心”は密接な関係にあります。心が晴れ晴れしていると身体の機能に良い影響をもたらし、心が塞いだり落ち込んでいると機能が低下し悪影響を及ぼします。治療は病んでいる箇所だけでなく、患者さんごとの身体と心、そして社会的側面をも含めたケアをするために医療専門職間の連携が必要となります。

本学卒業生は、採用先から
重要視する能力を持っていると評価されています。

就職センターでは、卒業生の就職先である医療福祉施設など386施設を対象に「卒業生への満足度」についてアンケート調査を行っています。2022年に実施された満足度調査※では【採用先が重要視する能力】と【採用した本学卒業生の印象】において、多くの項目で一致する結果となりました。これらの結果から、本学での学びや実践的な取り組みが、社会が求める能力の形成へ繋がっていることが明らかとなっています。また、自由記述において「コミュニケーション能力が高い」「協調性がある」などの声も多く見られ、本学卒業生が就職先から高い評価を得ていることがうかがえる結果となりました。

※採用実績が1名以上ある全国の医療福祉施設や一般企業で、過去3ヵ年(2019年3月~2021年3月に卒業)した者が入職した386施設を対象にした「就職先施設が求める能力の重要度」と「本学卒業生の印象」のアンケート調査の結果に基づく(一部抜粋)。

イラストで見る「チーム医療」

  • 症例1
  • 症例2
  • 症例3

脳梗塞と疑われるケースで救急搬送された場合

「脳梗塞」は、何らかの原因で脳の血管が詰まり、身体に様々な障害が生じる病気です。この症例の患者さんは、身体の片側がうまく動かせない、言葉の呂律がまわらないなどいった症状により、救急搬送されました。検査の結果、脳梗塞と診断され、手術を受けました。しかし、体の片側の麻痺と目の視野が狭くなるという後遺症を発症したため、入院・リハビリが必要となり、退院後も様々なサポートを受けることとなりました。

救急搬送

救急救命士が容態を確認し、救急救命処置を行いながら病院へ搬送します。搬送先の病院では医師や看護師、医療事務スタッフなどが連携し、受け入れ対応を行います。

このステップで関わる職種

救急救命士

救急救命処置/
救急搬送

看護師

救急搬送対応

医療事務

患者情報入力・
カルテ作成

医 師

救急救命処置の指示

検査・診断・手術

診療放射線技師はX線撮影などで身体内部を検査し、臨床検査技師は血液や脳波などの検査を行います。医師は検査結果をもとに、診断や手術・処置を行います。

このステップで関わる職種

臨床検査技師

血液検査/
脳波などの検査

診療放射線技師

X線撮影/CT検査/MRI検査

視能訓練士

視力・眼圧・瞳孔・
眼球運動の検査など

公認心理師

心理学的検査

看護師

手術補助

臨床工学技士

生命維持管理装置などの操作・管理

医 師

症状の診断/手術

入院・リハビリ

術後の状態や投薬の効果などを確認するため様々な検査を行い、容態に応じたケアやリハビリを行います。看護師を中心に、様々な専門職が患者情報を共有し、連携しながら支援プランを作成し、必要なサポートを「チーム」で行います。

このステップで関わる職種

視能訓練士

視力や視野などの
視覚機能検査全般

管理栄養士

入院中の栄養管理

公認心理師

カウンセリング

看護師

入院中のケア/
復帰に向けた支援

社会福祉士

入院費の相談

介護福祉士

入院中の生活支援

臨床検査技師

血液検査/
脳波などの検査

臨床工学技士

医療機器の操作/
メンテナンス

理学療法士

基本動作・
運動動作のリハビリ

作業療法士

日常生活動作の
リハビリ

言語聴覚士

言語障害などの
リハビリ

はり師・きゅう師

痛みの緩和/
リハビリの補助

診療放射線技師

術後経過の検査/
画像撮影

義肢装具士

義肢や装具の製作・
適合など

退院・社会復帰

退院後の社会復帰に向けた様々な不安に対し、各専門職が連携し、安心して日常生活が送れるよう支援を行います。後遺症により、退院後も生活動作などで不便が生じる場合、訪問リハビリや生活指導を行い日常生活のサポートをします。

このステップで関わる職種

社会福祉士

退院後の復帰支援

医療事務

入院費の計算・説明/
診療情報の管理・分析

理学療法士

退院後の生活指導/
訪問リハビリ

作業療法士

退院後の生活指導/
訪問リハビリ

言語聴覚士

退院後の生活指導/
訪問リハビリ

義肢装具士

福祉用具の選定/
住宅改修の提案

はり師・きゅう師

退院後の痛みの緩和/
訪問鍼灸

管理栄養士

退院後の栄養指導

視能訓練士

退院後の視機能検査全般

健康運動指導士

運動機能向上に
向けた運動指導

アスレティックトレーナー

運動機能向上に
向けた運動指導

公認心理師

カウンセリング

看護師

退院後の生活指導/
訪問看護

複数の専門職が連携・協働しながら患者さんをサポート。
本学では、この症例に関わる専門職(医師以外)を目指す学生がワンキャンパスで学んでいます!

スポーツ選手が膝前十字靱帯を損傷した場合

この症例に関わる職種
計14職種

スポーツの現場では常にケガや事故が発生するリスクがあります。特に選手のケガに対しては、手術や治療はもちろん、競技復帰に向けたリハビリやトレーニング、メンタルケアなど多様な専門職のサポートが必要となり、専門職同士で連携しながら、効果的なケアを行うことが求められます。

救急搬送

スポーツチーム専属のアスレティックトレーナーが駆けつけ、選手の状態を確認し、アイシングやテーピングなどの応急処置を行います。救急車が到着してから、救急救命士が容態を確認し、処置を行いながら病院へ搬送します。搬送先となる病院では医師や看護師、医療事務スタッフなどが連携し、受け入れ対応を行います。

このステップで関わる職種

アスレティックトレーナー

アイシングやテーピングなどの応急処置

救急救命士

救急救命処置/救急搬送

看護師

救急搬送対応

医療事務

救急搬送手続

医 師

救急救命処置の指示

検査・診断・手術

診療放射線技師は、MRI検査や超音波検査などで損傷部の状態を検査し、医師は検査結果をもとに、診断や手術・処置を行います。手術を行う際は、臨床工学技士が医療機器の操作・管理を行います。

このステップで関わる職種

臨床検査技師

血液検査/
脳波などの検査

診療放射線技師

X線撮影/CT検査/MRI検査

臨床工学技士

医療機器の操作/
メンテナンス

看護師

手術補助

医 師

症状の診断/手術

入院・リハビリ

前十字靱帯損傷の処置は、足をサポートする装具が必要となり、義肢装具士が製作・適合を行います。足のリハビリは、医師の指示のもとで理学療法士が行います。競技種目やケガの度合いによって支援内容も異なるため、専門職同士で患者情報を共有しながら、一人ひとりに合わせたきめ細かいサポートを行います。

このステップで関わる職種

看護師

入院中のケア/
復帰に向けた支援

医 師

診断/経過観察

理学療法士

基本動作・運動動作の
リハビリ

義肢装具士

ギプスなどの装具の
製作・適合

公認心理師

カウンセリング

はり師・きゅう師

コンディションの回復

管理栄養士

入院中の栄養管理

アスレティックトレーナー

競技復帰に向けた
トレーニング

退院・競技復帰

競技復帰に向け、アスレティックトレーナーは練習メニューの考案やトレーニング指導を行い、管理栄養士はトレーニング内容に応じた栄養管理や指導を行うなど様々な角度から競技復帰をサポートします。社会福祉士は、退院後の生活、選手活動の継続に困難が生じた場合に受けられる公的な支援や補助についてアドバイスやサポートを行います。

このステップで関わる職種

社会福祉士

支援・補助について
アドバイスやサポート

医療事務

入院費の計算・説明

管理栄養士

栄養管理・指導

公認心理師

カウンセリング

理学療法士

退院後の基本動作の
リハビリ

はり師・きゅう師

退院後の
コンディションの回復

アスレティックトレーナー

練習メニューの考案・
トレーニング指導

複数の専門職が連携・協働しながら患者さんをサポート。
本学では、この症例に関わる専門職(医師以外)を目指す学生がワンキャンパスで学んでいます!

認知症患者が事故により在宅生活支援を必要とする場合

この症例に関わる職種
計19職種

認知症は老化によるもの忘れとは違い、脳神経の変性による脳の一部の萎縮や、脳血管障害によって引き起こされます。認知症が進行すると理解力や判断力が低下し、社会生活や日常生活への支障が出てきます。また、在宅で認知症患者を介護する家族へのケアも重要となり、専門職同士による連携は欠かすことができません。

診断・サービス利用

ひどい物忘れや理解力の低下、問題行動などから心配した家族が医療機関に相談し、認知症と診断されるケースは珍しくありません。今後の生活をサポートするために、地域包括支援センターの社会福祉士や保健師などと連携しサービス利用に関する手続き・支援を行います。

このステップで関わる職種

医 師

症状の診断

臨床検査技師

血液検査/
脳波などの検査

診療放射線技師

X線撮影/CT検査/MRI検査

臨床工学技士

医療機器の操作/
メンテナンス

社会福祉士

サービス利用への
アドバイス・サポート

保健師

サービス利用への
アドバイス・サポート

看護師

診断対応

救急搬送・検査・手術

認知症の進行による見当識障害が原因で、交通事故や転落事故などに見舞われるリスクがあります。受け入れ時に身元不明な患者の場合、社会福祉士が緊急対応として情報の把握(アセスメント)を行います。医師は検査結果をもとに、診断や手術・処置を行います。

このステップで関わる職種

救急救命士

救急救命処置/
救急搬送

公認心理師

心理学的検査

看護師

救急搬送対応

医療事務

救急搬送手続

医 師

救急救命処置の指示/
診断/手術

社会福祉士

情報の把握

臨床検査技師

血液検査/
脳波などの検査

診療放射線技師

X線撮影/CT検査/MRI検査

臨床工学技士

生命維持管理装置などの
操作・管理

検査・入院・リハビリ

術後早期に、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職が連携してリハビリを始めます。社会福祉士は、リハビリの様子や経過をモニタリングしながら、患者とその家族をはじめ各専門職と今後の治療の見通しやサポートについてしっかりと話し合い、今後の支援に向けた連携を行っていきます。

このステップで関わる職種

医 師

治療・経過観察

管理栄養士

入院中の栄養管理

公認心理師

カウンセリング

看護師

入院中のケア/
復帰に向けた支援

介護福祉士

入院中の生活支援

臨床検査技師

血液検査/
脳波などの検査

臨床工学技士

医療機器の操作/
メンテナンス

理学療法士

基本動作・
運動動作のリハビリ

作業療法士

日常生活動作の
リハビリ

言語聴覚士

言語障害などの
リハビリ

はり師・きゅう師

痛みの緩和

診療放射線技師

術後経過の検査/
画像撮影

義肢装具士

ギプスなどの装具の
製作・適合

社会福祉士

情報の把握・支援策検討

退院・在宅生活への支援

社会福祉士は、退院に向けて患者の在宅環境の調査やサービス、調整を行います。医療機関のリハビリの専門職だけでなく、地域包括支援センターなど地域の社会資源と緊密に連携し、患者とその家族が安心して元の生活を再開できるようにコーディネートします。

このステップで関わる職種

社会福祉士

入院費の相談/
在宅医療支援

医療事務

入院費の計算・説明

公認心理師

カウンセリング

看護師

退院後の生活指導/
訪問看護

理学療法士

退院後の生活指導/
訪問リハビリ

作業療法士

退院後の生活指導/
訪問リハビリ

言語聴覚士

退院後の生活指導/
訪問リハビリ

はり師・きゅう師

退院後の痛みの緩和/
訪問鍼灸

福祉住環境コーディネーター

住宅改修プラン提示

福祉用具専門相談員

福祉用具に関する
アドバイス

複数の専門職が連携・協働しながら患者さんをサポート。
本学では、この症例に関わる専門職(医師以外)を目指す学生がワンキャンパスで学んでいます!