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【理学療法学科】髙橋ひろなさん(修士課程2年,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)と犬飼康人准教授(理学療法学科,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が、国際誌『Neuroscience Letters』に採択されました!

理学療法学科・髙橋ひろなさん(修士課程2年,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)と犬飼康人准教授(理学療法学科,神経生理Lab,運動機能医科学研究所)の研究論文が,国際誌『Neuroscience Letters』に採択されました。


研究の概要
前庭ノイズ電流刺激は,バランス機能を向上させる刺激方法として注目されています.これまで,前庭ノイズ電流刺激を与えることで,静的バランス機能(安定した床面上で姿勢を保持する機能)を向上させることが報告されています.しかし,前庭ノイズ電流刺激が動的バランス機能(重心移動を伴う動作時の安定性など)に与える影響については不明でした.本研究では,前庭ノイズ電流刺激が動的バランス機能評価の1つであるファンクショナルリーチテスト(上肢のリーチ距離)に与える影響を検証しました.本研究の結果,前庭ノイズ電流刺激は,ファンクショナルリーチテストのリーチ距離には影響を及ぼさないことが明らかになりました.本研究成果は,国際誌『Neuroscience Letters』に掲載予定です.
本研究の結果より,前庭ノイズ電流刺激は,すべてのバランス機能を向上させる刺激法ではなく,特定のバランス機能を向上させる刺激法であることが明らかになりました.将来的に前庭ノイズ電流刺激をバランス機能向上の治療法として応用していくには,どのようなバランス機能に効果的であるのかを検証していく必要があると考えています.

本研究のポイント
1. 前庭ノイズ電流刺激を実施すると,安静立位時の重心動揺(総軌跡長)が有意に減少することが明らかになりました.

2. 前庭ノイズ電流刺激を実施しても,動的バランス機能の評価指標の1つであるファンクショナルリーチテストのリーチ距離には変化を及ぼさないことが明らかになりました.

論文情報:
Takahashi H, Inukai Y, Miyaguchi, Otsuru N, Kawakami S, Onishi H. Effects of noisy galvanic vestibular stimulation on functional reach test. Neurosci Letters [in press].