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【理学療法学科】研究論文が国際誌『European Journal of Pain』に採択

研究内容の概要:
ヒトの脳の中で背外側前頭前野という領域は、痛みの脳内情報処理において重要な役割を担っています。しかし、背外側前頭前野における様々な周波数帯域の律動活動が、痛みの処理においてどのような役割を担っているかは明らかにされていません。
本研究では、theta帯域(4~8Hz)、beta帯域(14~30Hz)の経頭蓋交流電流刺激(tACS)によって、律動活動を人為的に操作することで、痛み知覚がどのように変化するかを検討しました。
結果として、theta、beta帯域のtACSによって痛み閾値が上昇することが明らかとなりました。 さらに、この効果はtACSによって背外側前頭前野に生じるとされる電界と逆U字型の相関関係があることが示されました。
本研究成果は、physicain's weeklyでも紹介されています.

コメント:

近年、痛みへの治療法としてtACSが注目されていますが、知見が不足しております。本研究により、背外側前頭前野のtheta帯域活動やbeta帯域活動を増大させることで、鎮痛効果が得られる可能性が示されました。さらに、tACSによる効果には脳内に生じる電界と逆U字型の相関関係があることが示されました。研究の結果は、痛みに対する治療法としてのtACSの発展に繋がるのではないかと考えております。

本研究のポイント:
① theta,beta帯域のtACSによって痛み閾値が上昇することが明らかとなりました.


② theta帯域tACSによる効果は,tACSによって脳内に生じる電界と逆U字相関があることが明らかになりました.


原著論文情報:
H. Ikarashi, N. Otsuru, J. Gomez-Tames, A. Hirata, K. Nagasaka, S. Miyaguchi, N. Sakurai, K. Ohno, N. Kodama, H. Onishi. Modulation of pain perception through transcranial alternating current stimulation and its nonlinear relationship with the simulated electric field magnitude. European Journal of Pain. https://doi.org/10.1002/ejp.2249

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