視能訓練士(国家資格)

人間の一生に関わる「眼」の健康管理を行う、眼科医療の専門家。

視能訓練士の仕事

視能訓練士イメージ

眼や脳に関する病気の診断・治療のための「眼科一般検査」、視機能の維持・回復を図る「視能矯正・訓練」、視覚障がいのある方の生活指導や補助具の選定を行う「視能リハビリテーション」、3歳児健診・生活習慣病健診などで「視機能の健康管理」を行う視覚分野のスペシャリストとして病院等の医療機関や特別支援学校、発達支援センターなど幅広い領域で活躍しています。

視能訓練士になるには

国家試験に合格すると免許が与えられます。国家試験の受験資格を得るには次のような方法があります。

  • 1、大学入学資格がある者で、文部科学大臣が指定した視能訓練士養成所で、3年以上視能訓練士として必要な知識および技能を修得した者(修業または卒業見込みの者を含む)。
  • 2、大学、養成所などで2年以上修業し、指定の科目を修めたのちの学校、養成所で1年以上、視能訓練士として必要な知識および技能を修得した者(修業または卒業見込みの者を含む)。
  • 3、外国の視能訓練に関する学校または養成所を卒業し、または外国で視能訓練士免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が上記の者と同等以上の知識および技能を有すると認定した者など。

主な活躍の場

  • 大学病院
  • 総合病院
  • 眼科医院
  • 視覚障害日常生活訓練施設
  • 盲学校などの特別支援学校
  • 発達支援センター

高齢化の進展、子どもの視的環境の変容や検査機器の進歩などに伴い、ニーズが拡大。

視覚は外界の情報の約90%を担うと言われており、視覚に障がいを持つと得られる情報量が大幅に制限されQOL(生活の質)が著しく低下します。日本眼科医会の調査では、2007年の時点で約164万人の視覚障がい者がいるとされており、2030年には200万人にまで達すると予測されています。また近年では、ゲーム機やタブレット型コンピュータなどの普及により「子どもの眼の健康管理」の重要性が高まるほか、高齢者の「ロービジョン(低視覚)ケア」へのニーズの拡大に伴い、2012年度診療報酬改正で「ロービジョン」検査判断料の算定が追加されるなど、視能訓練士のニーズはますます増加しています。こうした状況の中、2011年には厚生労働省が視能訓練士国家試験の改善報告書を取りまとめ、国を挙げて質の高い視能訓練士の育成に乗り出しています。

視能訓練士はこんな人にオススメ!

医療機関で働きたい!

9割以上の視能訓練士が病院や眼科クリニックなどの医療機関で活躍しています。夜勤や残業が少ないうえ、育児休暇などが取得しやすく働きやすいのが特徴です。また、仕事から離れても再就職が比較的容易のため、女性には特にオススメな専門職です。

見える不思議を追求したい!

眼はたった24mmの小さな感覚器ですが、私たちの日常に多くの情報を届けてくれます。「そもそも目が見えるとは何か?」「3D映像の仕組みって?」といった身近な不思議から最新の知見まで追求することができます。またiPS細胞を移植する患者さんへの検査も視能訓練士が行います。

子どものケアがしたい!

視力は生後からゆっくり成長し、9歳までには完成すると言われています。そのため、幼少期の眼の発達ケアは将来にも大きく影響します。そのため、眼科外来に限らず、3歳児検診で「眼の健康管理」を担う視能訓練士のニーズは高まっています。